第19話 圧勝!桃白白との戦い
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にあうかもしれないと。しかし、桃白白は悟空の力量を測りかねていた。
「ちぇい!」
ついに桃白白が先に動く。悟空は、自分の小さい身体を目一杯動かして、反撃する。
「げぇっ」
丁度良く、カウンター気味に悟空の蹴りが桃白白の腹に直撃して、桃白白は悶絶する。さらに悟空は、右の握りこぶしを桃白白の顎にめがけて殴りつける。殴られた反動で、桃白白は空を見上げるような形になり棒立ち状態になった。
「ハッ!」
がら空きになった腹にさらに正拳突きを、桃白白の腹にめがけて放つ。そのまま吹き飛ばされる桃白白。
何とか、起き上がる桃白白だったが、小さな子供にも敵わない事を知り、もう世界一の殺し屋なんて称号を気にする余裕もなく、ここからどうやって逃げるかを考えていた。そして、最終兵器を出すことにした。
「すっ、すまなかった。私が悪かった! ゆるしてくれ」
桃白白の土下座とともに放たれた言葉に唖然とする悟空。しかしナシゴは嘘の芝居だろうと見ぬいていた。
「たのむ、このとおりっ。もう 二度と悪いことはしない。本当だ! 許してくれ」
「……」
悟空が、どうするかとナシゴに目線を向ける。悟空が桃白白から目を離した隙に、桃白白はズボンの裾に隠しておいた爆弾を手に取り、悟空に向かって投げる。
「死ねっ、小僧」
「なにっ!?」
悟空が、素早く桃白白へ向き直る。しかし既に桃白白の手からは、爆弾が放たれた後だった。そして桃白白は、力いっぱい地面から飛び上がっていた。
「爆弾だ! 避けて悟空さん!」
今まで、隠れていたウパがテントから飛び出し、叫ぶ。桃白白は、爆弾から離れるために空高く飛び上がった。
「悟空くん、蹴り返せ!」
ナシゴは、ウパとは違う方法を悟空に伝える。悟空が一つ頷くと、地面すれすれに落ちそうになっていた爆弾に足を潜り込ませて、鋭く空に向かって蹴り上げた。
「へ?」
桃白白は間抜けた最後の言葉。
ボカンと大きな音をさせながら、爆弾が爆発した。桃白白の身体は跡形もなく消え去ってしまった。辺りにパラパラと爆発の破片や火の粉などが飛び散る。
今まで横になって休んでいたボラが立ち上がり、お礼を言う。
「ナシゴ様、悟空さん。なんとお礼を言えばいいか。危ないところを、あなた達のお陰で助かりました」
「お父さんを助けてくれてありがとう!」
ナシゴは、考えていた。桃白白が刺客として送られてきたということは、レッドリボン軍に聖地カリンの場所を知られたということだ。このまま放っておくと、更なる刺客が送り込まれて、ボラの負担になると。
「悟空くん、ドラゴンレーダーは持っていますか?」
「これのことか?」
悟空が懐から出した機械をナシゴに渡す。
「ふむふむ、こうやって使うのですね」
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