魔導都市の思惑
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たけどそれだけじゃないのよ。
「その会談で私は魔導都市エネルゲイヤの独立を宣言しようと思っているの」
私の言葉にざわざわと皆が騒ぎ始める、だがそれは不安や疑心から来るものではなく見えて来ない始まりが目の前に現れ挑もうとしている様な挑戦的な興奮を含んだざわめきだった。
「静まりなさい!!」
会議でも変わらず私の後ろに控えるノーラが一喝して皆を鎮める、静かになるのと同時にティアが再び手を挙げる。
「なぜこの様な会談で独立の宣言を?独立をするのならば悪魔勢だけに伝えれば良い筈では?何も三勢力の代表が集まる場所でする必要は、悪戯に天使と堕天使を刺激するだけでは?」
ティアは相変わらず冷静ね、でも三大勢力が敵と戦い始める今がチャンスなのよ。
「この会談は十中八九襲撃されるわ、それも同族の悪魔にね」
「その根拠は」
疑問を浮かべる声に反応してノーラが素早く皆に資料を配る、皆はその資料に目を通し始める。
「渦の団か」
魔導都市エネルゲイヤ最強の戦士にしてエネルゲイヤの軍部のトップで最古参であるフィネガスは只静かに彼等の組織の名を呟く、渦の団、最近動きが活発化してきたテロ集団、その中には現魔王に不満を持つ旧魔王派が居る、彼等は確実に会談を襲撃するその時に独立する、その為には渦の団を圧倒的な力で撃退して三大勢力に力を示さないといけない、しかし痛めつけすぎてもいけない彼等には三大勢力を牽制して貰わないと困る、弱らせすぎるとむざむざチャンスを潰す事になる、これが上手く行けば確実に独立は認められる、渦の団に私達が加わるか独立を認めるか2つに1つならお兄様や他の魔王様は首を縦に振らざらならない、暫らくはギクシャクした関係が続けどそれは外交や技術提供などで回復は十分に可能だから心配は要らない。
「会談には私とヨルムとフィネガスそしてクピド、ファレンクピト貴方達にも来てもらうわ」
「え!?」「は、はい!?」
いきなり名前を呼ばれるとは思っていなかった2人は驚いている。
「お待ちください!!」
ティアが私に待ったを掛ける。
「クピトとファレンクピトの存在を明かすのは危険です!!技術探究第一と考える堕天使の総督はともかく、天使達とは下手をすれば戦争に発展します!!」
「そうね、天使達は良い顔をしないはでも同時に喉から手が出るほどに欲するは神が居なければ天使は産まれる事は無いから。」
エネルゲイヤで初めて生まれた天使と堕天使であるクピトとファレンクピトの存在を天使や堕天使が快く思うとは思えない、曲がりなりにも神に産みだされたと言うプライドが彼等にはあるのだから、でも数が減り続けている天使と堕天使は戦争をしたがらないでしょうね、混沌の渦も居る事だしそれに此方の出方次第では上手く行けば悪魔以上に友好的な関係を築けるかもしれない、
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