水の巫女の再来・前編
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「────おい、イングズ! ルーネスの奴が、他の兵士とやり合ってるぞ!」
(やり合っている……? そうか、喧嘩か。何かされたか、云われたな。全く……、沸点が低いと叱ってやらねば)
「……何をしているお前達、やめないか!」
「ち……本人のご登場かよ」
「こんな奴ほっといて、行こうぜ……!」
「てめぇら…! 待てよ! まだ話は終わっちゃいね……っ」
「ほら、もうよせルーネス。何を云われたか知らんが、兵士として仲間にすぐ手を出すんじゃない」
「あんな奴ら、ナカマなんかじゃねーよ! 兄さ…っ、イングズの事、勝手に妬んで悪く云ってんだから!!」
「………そういう事か。云いたい奴には云わせておけ、陰口など私が見習いの頃からあった。今さらではないさ」
「でも、さ………おれの事なら別にいいけど、兄さんが悪く云われるのは……イヤだ」
「────フ、こいつめ」
「わっ、頭くしゃくしゃにすんなよ……!?」
「いちいち相手にしていたら、切りがないぞ。……いくら世界を闇から救ったとはいえ、もはやそれは過ぎた出来事だ。これからは1人の人間として、やっていかなければ」
「………うぅ〜っ」
「それより明日はレフィアと、サロニアから半年振りにアルクゥがサスーン城に来てくれるだろう。……久し振りの4人での再会なんだ、そんな仏頂面でどうする」
「分かってるよ! あの、さぁ……、みんなで集まったら、あとで水の神殿、行ってみたいんだけど────」
「あぁ、そうするか」
「い……? いいのかよ、理由………聞かないの?」
「必要ない。───お前が行きたいならそうしよう」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「おっじゃまっしま〜す! ルーネス〜、イングズ〜、サロニアから帰省したアルクゥ連れて来たわよ〜!!」
「おぉ〜アルクゥ、久しぶり〜! ……って云っても、あんま変わってないなっ?」
「ひどいなぁルーネス、背は伸びたはずだよ? ……ほんの少し。そういうルーネスこそ、ほとんど変わってないじゃないか! サスーン城の見習い兵士になって、少しは礼儀正しくなってるかと思えば───」
「アルクゥ、それは無理な話よ? あたし定期的に覗きに来てるけど、ちっとも精進してないもの! ……イングズってば、"弟"甘やかしすぎなんじゃないの〜?」
「そ、そんな事はない。まだ見習いの身で、隙あらばサボろうとする生来根性の無いこいつが悪い」
「何だよ、ちゃんと修行してるって! え〜っと、そうだな……『アルクゥどの、ようこそいらした、ごゆるりとおつくろぎ下され〜!』……みたいな感じだろっ?」
「───"おくつろぎ"だ、馬鹿者。しかも
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