00. この世界に
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僕は生まれた。
この世界に。
いや、まだはっきりとはしていない。
君達の世界かもしれないし、別の世界かもしれない。けれど、ウーゴ君を見る限り……この世界は†マギ†の世界だろう。
ところでここはどこだい?
硬く閉ざされた頑丈な部屋。聖宮さ
君はいつもそれをいう。
それ以外に何かないのかい?
「ごめんね。僕は何も知らないんだ。時が来れば君を外に出してあげられるから」
時が来れば。時が来れば。
何回目だろう。
ずっとそう言われて、何年経ったんだろう。身体は少しずつ大きくなっている。
まだ年齢もわからないけれど。
けど、確実に。
まだなのかい?
この聖宮から世界を見ているだけじゃつまらない。
はやく出たい。外に。
そんなある日、突然アノ男は現れた。
聖宮を壊しに。
「君の願いを叶えてあげよう、この男と差し替えに」
無理だよ。
ここは壊せないんだ。
頑丈な部屋だから。
「残念。例え、どんなに頑丈だろうとここの創立者なら破壊の仕方も全てを知っている」
え。
貴方は創立者なの?
「まずい……アラジン。笛を貸して。詳しくは外で話そう」
もう、僕にはわからないよ。
今はこのおじさんより、ウーゴ君信じた方が良さそうかな。
首につけた割と大きめの笛をウーゴ君に渡す。僕が生まれた時からずっと持っていた笛を。
「……」
おじさんは何かをずっと呟いている。
もしかして。僕はおじさんに作られたのかい?
僕には両親がいない。
誰かの手によって作り上げられた僕。
その【誰か】はおじさんなのかい?
「ごめんな。今は言えない。さぁお行き。アノ男はどこにいったか知らないけど……その笛を持ってこの世界の外に行きな」
うん。
でもどうして貴方も今は言えないの?
「時が流れて行くのは早い。今ここで君と話している間も時は流れている。いいか?これだけ忘れないでくれよ。何時も無駄にしないで……」
その瞬間おじさんは消えた。
何時も無駄にしない……。
わかっているよ。
さぁ、ウーゴ君??
一緒に外の世界に行こうよ。
今まで硬く閉ざされていた扉が開き僕らを導く。
白いルフ達にかこまれて。
どこまでも落ちて落ちて落ちる。
そこがどこにつくかもわからない。
わかったところで、それは世界のどこらへんの街なのかさっぱり……。
To be continued...
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