暁 〜小説投稿サイト〜
とある物語の傍観者だった者
22話:セロリ君
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んなに怒らなくても、とミサカはお姉様に怒られしょんぼりして見せます。もちろん演技ですが」

「あ??」

 ………。

 まぁ美琴に怒られて当然の展開ではあるが、そもそもミサカ妹のその態度が美琴の勘に触っているということを本人は理解しているのだろうか。

「この男はアンタや他の皆を殺そうとした相手よ。ご褒美あげる暇があるんならアンチスキルに通報して引き取ってもらいましょう」

「……うわー、お姉様はそれで本当に学園都市第三位の頭脳をしているんですか、とミサカはお姉様の低脳っぷりに心配してしまいます」

「う、うっさいわね、私何か間違ったこと言った??」

 まぁ、普通の事件ならアンチスキルに通報して引き取って事件解決ってなるんだろうけども……

 そもそもクローン人間を殺して法律で罪に問われるのかさえオレには分からないけども。

「アンチスキルに引き渡せばまた実験は繰り返されますよ、とミサカは断言してみせます」

「そ、そんな……」

 まぁ、アンチスキルが対処できる一件なはずもなく、裏でいろいろ工作されるんだろうな。

 そして、闇に生きる研究者たちによって再検討なされ、数日、あるいは数週間後、もしくは数ヵ月後、もっと時間が掛かって数年後に悪夢の実験は再び開始されるかもしれない。

「そう考えれば今ここでこの人の息の根を止めた方が懸命かと、とミサカはお姉様に懇切丁寧に説明しとりあえず実行してみせます」

「ちょ、ちょっと待って……ッ!!」

 言うや否や美琴の制止など全く聞く耳を持たないミサカ妹は実行した。

「プギャァァアアアアアアアア」

「ん〜ん、良い声で鳴いてくれましたね、とミサカは満足です」

「な、なんて酷いことを……」

 オージーザス………。

 なんてことだ、オレが見たのはミサカ妹が一方通行の股間を亡き者にと、今までグリグリしていたのを止めて思いっきり踏んづけやがった所だった。

 オレが聞いたのはあまり悲痛な叫びであり「プギャァアア」と脳内変換された断末魔にも似たソレ。

 セロリの息子は無事では済まないだろう……セロり自身は泡を吐いて失神してやがる。

 ムゴすぎる。鬼だ、ミサカ妹の姿をした悪魔や……

 しかし、当の本人はオレたちの気持ちを察しては不思議がる。

「何を仰るのですかお姉様。彼は今以上に酷いことをして他のミサカを今日の今日まで9981回も虐殺してきたのですよ、そんな大罪人が子孫を残せるとでも?? とミサカはまだ目の前で地獄を見たこと無いお姉様に論します」

「うっ、確かに許されないことだけども……」

「お姉様は甘ちゃんですね。けっ、ゆとり世代はこれだから……とミサカはツバを吐きます」

「……アンタ、そんな
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