第三幕その十二
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神宝はそろりそろりとした足の調子になっていました、その彼を見てジョージは笑ってこう彼に言いました。
「いや、今はまだいいと思うよ」
「コンガラパズルの国に入ってないからだね」
「うん、だからね」
それでだというのです。
「今はね」
「普通に歩いていいね」
「そうだよ。幾ら何でも心配性だよ」
「ついついそうなったね」
「気持ちはわかるけれどね」
ジョージにしてもだというのです。
「今はまだいいよ」
「そうだね、それじゃあ」
こうして普通の歩き方に戻った神宝でした、そうして。
コンガラパズルの国に向かいながらです、トトに尋ねました。
「ねえ、君はね」
「何かな」
「うん、オズの国に最初に来た時はね」
「その時だね」
「そう、喋っていなかったね」
「長い間そうだったね」
自分でも言うトトでした。
「僕はね」
「そうだったね」
「けれど今はね」
こうしてだというのです。
「喋られるよ」
「そうなったんだね」
「うん、ドロシーともお話出来るから」
だからだともお話するトトでした。
「僕はとても幸せだよ」
「私もよ。トトとお話出来てね」
ドロシーもにこりとして言ってきます。
「とても幸せよ」
「動物が喋ることが出来るっていうことも」
恵梨香はトトだけでなくオズの他の動物達のことからも言いました。
「いいことよね」
「お互いに心が通じ合うからね」
「とてもいいことだよ」
ドロシーとトトが恵梨香に答えます、それだけでもオズの国はとても素晴らしい国です。
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