第七十一話
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と試してみたいことが・・・」
俺はそう言いながらもう一度水を掬い、言霊を唱える。
「この世の全ては我が玩具。現世の全ては我が意の中にある。その姿、その存在を我が意に従い、変幻せよ」
そのまま水に対して、命令をくだす。
「汝は槍である。何があろうとも、その真実は我が与える」
その瞬間に、水が槍に姿を変える。
「武双、お前はもう槍のストック切れ、とかありえないんじゃないか?」
「蚩尤の権能でも作れるしな。さて、と・・・」
手の中で確かな重量を持つ槍を風呂に浸かったまま片手で回してみたりして、普段から使っている槍とあまり変わらない感覚を得る。
「今のところは、普通の槍と変わらないな」
「なら良かったじゃないか。といっても、蚩尤の権能だけで問題ない気はするが」
「いや、肝心なのはここから・・・」
そう言いながら槍を観察し、確実に試せる手段を考えて・・・
「雷よ」
槍を投げて、そこに向けて雷をぶつける。
そして、その瞬間に槍は分解される。
「電気分解・・・か?」
「どうだろう。温泉の成分とかも有るし、どんな変化をしたのかわからないけど・・・」
まあ、でも。
「槍になったからって、元のものの性質を失うわけじゃないんだ」
「そうみたいだな。・・・その権能、芝右衛門狸から簒奪したものか?」
「大当たり。でも、何で分かったんだ?狸って言っても、俺が殺した狸は二柱いるわけだし。・・・あれ?」
「どうした?」
「いや・・・なんで俺、この権能がどの神から簒奪したものか、知ってるんだろう・・・」
俺の中には、絶対にそうだという確証がある。
でも、その確証をどこから得たのか、そこが分からない。
・・・ま、いいか。
「そういえば、リズ姉は芝右門狸について詳しいのか?」
「詳しい、というよりは戦士の権能を使えるレベル、だな」
「なるほど、知らない事はないわけね」
リズ姉は本当に、神様についての知識がありすぎる。
「じゃあ教えて欲しいんだけど・・・俺、この権能を簒奪するときに久しぶりにあの空間に行ったんだよ」
「あの空間というと、真っ白な中に色んな紋章が浮かんでる?」
「そこ。俺が簒奪した権能が保管されてるような、そんな感じの空間」
「権能を掌握するときは、確か殺した神が良く分からないアドバイスをくれるのだったか?」
そう、俺が殺した神が、だ。
その神に対して手を伸ばし、その中にあるものを掴み取る。その瞬間に、俺は権能を使えるようになるわけだ。
まあ、あそこに行かなくても使えるようになることはそこそこにあるんだけど。
「なんだけど、あの時俺の前にいたのは人間・・・それも、オランダ人だった」
「武双が殺したほ
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