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美しき異形達
第八話 土の忍者その九

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「間違いなくな」
「そうよね、じゃあ私達も」
「気功かね、これ」
 薊もだった、ここで火を出してみた。火を左手の人差し指の先にライターのそれの様に出してみて言うのだった。
「どうなのかね」
「私はそう見ています」
 医師はその薊にも話した。
「気功ではないかと」
「気功ねえ」
「それが少し変わって」
 そしてだというのだ。
「火や水、土になっているのではないでしょうか」
「何かよくわからないな」
「いえ、気とオーラは同じものですので」
 ここでまた話した医師だった。
「仏像を御覧になられれば」
「明王ですか」
 ここでまた言ったのは菖蒲だった。
「不動明王等ですね」
「はい、明王の背中にあるものは炎ですね」
「そうですね」
 憤怒を表している、明王は仏であるが戦う仏でありその怒りを以て魔を降す存在だ。そしてその背に背負っているものは炎なのだ。
「仏像の後ろにあるものはそれぞれの気、オーラですが」
「それがですね」
「気です、明王の気即ちオーラは炎なので」
「私達の場合は明王よりも」
 ここでさらに言う菖蒲だった。
「十二天でしょうか」
「仏教のですね」
「火天や水天といった仏達ですね」
 仏教の中で重要な仏達の一つだ、それぞれの属性や方角を司っている。梵天や羅刹天もその中に入る。
「あの仏達ですか」
「炎だけではないので」
 医師は薊を見つつ話した。
「そうなるかと」
「そうですか」
「はい、ですから」
 だからだと話す医師だった。
「貴女達はそれぞれの属性の気が強く出ているのでしょう」
「じゃああたしもか」
「私もですね」
 薊と菊も言った。
「三人共か」
「それぞれの属性があって」
「気にも。私は気功の専門家ではないですが」
 この前置きも述べて話す医師だった。
「それでもある程度の知識はあるつもりです」
「だから今私達にお話出来るんですね」
「そうです」
 こう三人に話す。
「気のことも」
「そうですか」
「向き不向きでして」
 これが即ちというのだ。
「貴女達のそれぞれの属性が気に出ているのでしょう」
「そういうことかね」
 薊は医師の話を聞いて考える顔で述べた。
「何か今一つわからないね」
「そうね。私もね」
 菊もだ、考える顔で薊に応えた。
「何かね」
「難しい話だよな」
「うん、気とかね」
「属性ねえ、しかも」
「そういうものがあるのね」
「ただな、気はな」
 ここでまただった、薊はその気の話をした。
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