勝利の条件
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「その意気は買ってやろう。だが、それは実力が伴ってなければ何の意味もない」
シューシューと嘲笑気味に笑うステルベン。そして、私の脇に置かれたヘカートUをチラリと見た
「見たところ、どうやらヘカートUの弾丸は全て撃ち尽くしたようだな。攻撃方法を持たないおまえが何を言っても……説得力がないぞ」
確かに、もうヘカートUの弾丸は使えない
でも、私にはこの口がある。時間を稼ぐだけならそれだけで十分だ
「それでも、私は生きたいんだ。過去のトラウマに囚われて無為に過ごした日々。それを取り戻すために!」
「無駄なことだ。どうせおまえもここで死ぬ。愛する者が敗北し地に這いつくばって無力を感じているその前で殺してやるよ」
ゾクッと背中が震える。VRMMO内であるはずのガンゲイル・オンラインでは感じるはずのない濃厚な殺気
それを感じた
「はっ……趣味が悪いな」
そんな思い空気を破ったのはペイルライダーの軽い声だ
手は小刻みに震え、額には汗が浮かんでいるが精一杯強がってみせている
「俺はシノンの過去やお前とリンの確執は全く知らないが、少なくともおまえが腐ってるってことだけはわかった。どうしたらそこまで性根が歪むのやら……」
やれやれ、と首を振るペイルライダー。だが、その目は鋭くステルベンの一挙一動を観察している。おそらく、怒りで動きを単調なものにしようとしているのたろう
だが、激昂するかと思われたステルベンは思った以上に冷静だった
「腐ってる、か……。どちらかというと歪んでいる、と言った方が当たっているかもな」
「なにが言いたい」
「おまえもやって見れば分かるだろうよ。ソードアート・オンライン……あの鉄の城での生活を」
「おまえは……SAO生還者なのか……」
喘ぐように声を絞りだすペイルライダー。VRMMOの先駆けにして最悪の死のゲームであるソードアート・オンライン。当時、ネットゲームに興味のなかった私はリンが囚われたことを知って調べたから他の普通の人よりは知っていると思う
「そうだ。俺もリンもSAO生還者にして……あの世界で殺し合った仲だ」
あれは楽しかったなっと懐かしむような声を出すステルベン
「あの城で戦ったやつは全員どこか歪んでいる。俺も、ジョニーも、ヘッドも、キリトも、アスナも……そして、リンもな」
「キリトもリンも歪んでなんかない!」
リンに比べればキリトと交流した時間なんて微々たるものだし、特別仲がいいってわけじゃない
でも、二人とも歪んでいるなんて感じはしなかった
「ククッ……どうだかな」
本当に面白いといった感じで笑うステルベン
確かに私はリンやキリトの全てを知っているかと聞かれれば違うとしか答えようけど……
「例え
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