第33局
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
たかなり強い。これだけ打てるのならこの相手もまたプロの可能性が高いが…。どうやら各国のプロたちがsaiに気づき始めたというのは事実のようだ…。ほんとに何者なのだろう、saiは…。
− 韓国 −
韓国代表の金もまた、電話で連絡を受け、友人のネット対局を熱心に見つめていた。
−ボクが先日歯が立たなかったsai…。ボク程度ではsaiの実力の底は見えなかった。まさか、彼でも太刀打ちできないとは…。
そう、局面はすでにsaiの黒が圧倒的に押していた。白の最後の勝負手も、saiにサバかれてしまった。
−…勝負はついてしまった。白は投げ場を求めているだけだ…。何人ものプロたちが、sai相手に負けているとの噂は確かにあったが、彼でもかなわないのか…。
そう、金にsaiとの対局が始まるから、しっかり見とけと電話をかけてきたのは、友人であり、韓国プロ棋士の兪七段。彼は紛れもない韓国トップ棋士の一人だ。
以前に、ネット碁のsaiに金があっさり負けていたことを聞いていた彼が、敵討ちだと偶然見つけたsaiに挑んでいたのだった。
画面は、白の投了で終了した。
−今日もsaiの勝ちか…。
その時、電話が鳴った。
「もしもし、見てたか?」
「…ああ、見てたよ、残念だったね」
「残念なもんか。まさかここまで強いとは思ってもなかったよ。すまないな、お前の敵を討ってやるつもりだったのに…。お前今度日本に行くんだったよな?是非、saiが誰なのか、聞いてきてくれ。間違いなく日本のトッププロだから。絶対にアマチュアのはずがない!」
「…そうだね、ボクもすごく興味があるよ。大会は4日ある。日本のプロも来るはずだ。きっと、saiのことを知っている人がいるはずだよね」
金は日本滞在中にsaiのことを少しでも掴もうと決意していた。
− 日本 −
和谷の今日の対局相手はakaだった。saiの弟子とのうわさが高い、やはり謎の打ち手だ。
−こいつも強いな。伊角さん並か?でも、伊角さんは違うって言ってたしなぁ。そもそもネット碁さえしてないし。…あ、くそ、左辺を削られたらかなり細かくなるか…。こりゃ、半目勝負になるか…。
最近は平日の夜にちょくちょく見かける名前だった。saiの弟子との噂もあり、その噂に恥じないだけの勝率を保っている。
−あ!?そこにつけられたら…、くそ、ただじゃ取れない…。コウか!!だめだ、ちくしょう!!コウ材はこっちがぜんぜん足りないのに!!
ギリギリ保てていた均衡が崩れた。和谷は投了した。
”お前は誰だ?俺は院生だぞ!!”
してやられてしまった和谷は、悔しさから思
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ