合宿編
十七話
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ってシフトは分割多弾砲。相殺すると同時にビットを多方向に配置し、残った赤組メンバーを撃ち落す。なので当然ビットの一つは、アレクへと向いている。
「……あの、ヴィヴィお嬢のママさん? なんで目の前に設置するんでヤンス?」
――――アレクの眼前に設置して、だが。
「だってアレクちゃ――くん、ちょっと離れると如何にかしちゃいそうなんだもん。確実にいかないとね」
「確実って……」
ニッコリと笑って言うなのはに、アレクの頬は引き攣った。
本人が直接放つ集束砲に比べ威力は落ちるものの、同じ集束砲には違いない。ビットから放ったものでも、人一人は軽く撃ち飛ばす。
学業の成績が悪いアレクでも、目の前のモノがヤバイと何となく解かる。ギュインギュイン溜まって行くピンク色が凄まじくヤバイと、本能的に解かってしまう。即座に離脱したいが、強固なバインドで早々には動けない。逃げたいが、逃げられない。
『なのはさん中心に広域砲を撃ち込みます。生存者一同は合図で離脱を!』
アレクが逃亡手段を考えている間にティアナも発射態勢に入ったらしく、通信が飛んできた。
ただ、着弾地点が此処な上に動けないので、アレクの背に嫌な汗が滝の様に流れる。同じチームなのでダメージこそ無いが、余波は発生する。それも一網打尽と言い占めるシロモノならば、間違いなく被る。
「あ、姐さん! 動けない俺はどげんしたら良かとバイっ!?」
最早悲願とも聞えるアレクの叫びに、ティアナは応えた。
『……目を閉じて眠りなさい。あんたは、本当に良くやったわ』
「うそぉん」
――――とても優しい囁きで。
だが、言っている事は死亡通告である。アレクの脳内警報がレッドゾーンを振り切り、デットゾーンに入った。
ティアナは当てに成らないのならば、自力で乗り切るしかない。アレクは覇気を練って練って練り上げて、更に此れでもかと練り上げ、頑固な壁を作っていく。例え非殺傷という前置きがあって身体は無事でも、他が殺されそうな気がしてならない。
だが、なのははその作業を待つ訳が無く、そしてティアナも待つ訳が無い。アレクの耳に、なのはとティアナから同じ死刑勧告が届いた。
スターライト・ブレイカー!!(×2)
視界が先ずピンク一色に染まり行くアレクは、腹の底から咆哮を轟かす。
「俺は生きる! 生きて自由を掴み取るぅぅぅぅううううっ!?」
◆ ◇ ◆
「……これ、なんて最終戦争?」
集束砲同士の激突地点から発生した余波が全方位に広がって行く様を見て、セインが引き気味に呟いた。
建造物を薙ぎ倒し、または吹き飛ばし、次々と瓦礫に変えて行く様は試合という概念をセインから簡単に奪っていった。それ程迄に眼下の
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