第6章:女の決意・男の勘違い
第39話:消せる落書き、消せない傷跡
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(ロザリーヒル)
デスピサロSIDE
俺の体中を激痛が走る……その苦痛に目が覚めた。
辺りを見回すと直ぐにロザリーの不安そうな顔が目に入ってきた。
そして思い出す。何があったのかを……
「ロザリー……怪我は無いか?」
「はい……私にはありません。リュカさんが守ってくれましたから。そしてピサロ様の事も救って下さったんですよ!」
ポロポロと俺の上にルビーを落とすロザリー……もしかしたら俺が一番ロザリーを泣かせてるのかもしれない。
「そ、そうか……俺はあの人間に助けられたのか。不本意だが礼だけは言わねばな……」
そう言うと俺は、激痛に耐え上半身を起こした。
どうやらここはロザリーヒルの塔の部屋らしい。
「デスピサロ様! お気付きになりましたか……」
鎧を纏ってないので一瞬誰だか判らなかったが、ピサロナイトが近付き心配そうに声をかけてきた。
きっと連中の魔手から献身的にロザリーを守ってくれた結果だろう。
「済まぬピサロナイトよ……」
「いえ……私はもうピサロ様のナイトではございません。ロザリー様の友人ラピスです。どうかそうお呼び下さい」
何やら色々遭った様で、俺の部下を名乗る事に抵抗を感じているらしい。
「一体何が……」
そう尋ねると彼女はこれまでの事を説明し始めた。
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「そうか……連中は元々ロザリーを探しに来たのでは無く、あの人間の女が目当てでやって来たのだな。ロザリーを連れ去ったのも、守る為であって何ら迫害はしてないと……」
化け物になった俺が生きている事と、ロザリーも本気で連中を擁護している事を考えると、ラピスが俺とソックリな男の虜になり、一方的に騙されているわけではない様だ。
いや……騙されてたのは俺の方だな。エビルプリーストに、まんまと操られていたのだから。
「ぎゃぁぁぁ!!」
自身の情けなさを痛感してると、外から何者かの悲鳴が聞こえてくる!
ラピスが即座に反応し、窓から外を確認する……そして軽く笑いながら俺の側まで戻ってきた。
「どうやら強欲な人間がロザリー様の情報を聞きつけ、この村に入ってきたようです……しかしリュカが撃退したらしく、ピサロ様が心配なさる必要はありません」
「そうか……外が騒がしいと思ったら、連中も一緒に居るのだな? では何時までも寝てるわけにはいかぬ。起きて礼くらいは言わねば……」
「あ、いや……もうちょっとお休みしてた方が宜しいかと……お体をお拭きしようと思ってましたので……ねぇ、ロザリー様」
「そ、そうですね……私が身体をお拭きしますので、寝てていただければ……」
二人とも俺の身体を心配してくれてる様で、懸命に寝かしつけようと試みる。だが……
「心配には及ばん。もう俺は大丈夫だから……」
そう言って立ち上がると
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