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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
箱庭のとある日常
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たのかしら?」
「・・・いい天気だったし、散歩日和かなー、と」
「旱魃が起こるような方向が、ですか?」

一つ目の理由は、鳴央によってあっさりと否定された。

「・・・いや、旱魃と遭遇したのは偶然だし、」
「ある程度近づいたら、陽炎が見えたんじゃないかしら?」
「・・・・・・あ、そうだ。俺も一応、サウザンドアイズに行ったほうがいいんじゃ、」
「換金なら、黒ウサギさんだけで十分ですよ。」
「それに、魃が意識を取り戻しても十六夜に飛鳥、耀がいれば問題ないわ。」

一輝が逃げることも出来ず、誤魔化すことも出来ない状況を作られてどうしようかと悩み始める。

「というか、それ以前にどうして朝から出かけていたのかしら?」
「確かに、そこからおかしいですね。どうしてギフトゲームに参加しようとしていなかったのか・・・いえ、そうじゃないですね。どうして、」
「どうして今日、ギフトゲームが開催されないのかを知っていたか、だろ?全く、なんでか俺の周りの女性陣は、俺の心が読めるヤツが多すぎる・・・」

一輝は前の世界のことまで含めてそう言い、頭を掻いてから観念したように顔を上げた。

「確かにそうですよ。俺は今日、ってか当分の間ギフトゲームが開催されないことが分かってた。それで、散歩に出かけたんだよ。どうだ、これで満足か?」

一輝がそう言うと、二人は一輝の隣に座った。
それは、一輝が放す前に逃げるのを封じよう、という意図によるものだ。

「じゃあ、まずはどうしてギフトゲームが開催されないことを知っていたのかしら?」
「・・・尋問?」
「一輝さんのことですから、自分のやったことを誰にも知られずに済ませようとしているのではないかと思いまして」

一輝は再び、唸った。
そして、今度こそ心から観念して、聞かれたことを答えていく。

「晴明。この間、あいつから聞いたんだよ。魃が来る、って。」
「なるほどね。それで、一輝は何もないからでかけたのね?」
「そして、そのまま魃胎児に向かった、と。」
「ま、元々は魃退治、ってより依頼をこなすためだったんだけど。」

一輝に対して出された依頼は、情報収集。依頼主は晴明である。
ただし、倒してしまっても問題ない、とも言われていた。

「それで、どうして倒すことになったのですか?」
「そうだな・・・ま、大した理由じゃないよ。ちょっとそんな気分になっただけ。」

そして、一輝はその時のことについて話し始めた。



  =============



一輝が陽炎に向かって歩いていってみたのは、ユニコーンが巨大な爪に貫かれようとしている瞬間だった。
そして、一輝はそれを見た瞬間に飛び出してその爪をつかんだ。

『貴方は・・・』
「ん、俺?通りすがり
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