第6話 勇人は毒状態になった!
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あるような声……)」
「それにしても悪趣味ね、盗み聞きなんて」
「仕方ないですよ。諜報科ですから」
「ていうかあなた、本当にEランク? 私でも気配に気づかないなんて」
「僕って、鋭い人はあんまり好きじゃないんですよ。神崎先輩?」
「そう……」
「あなた、言わなくてよかったの? あんたも毒に犯されているんでしょう? 夾竹桃に」
「天原さんも?」
「おや……どうしてそう思うんですか?」
「だって顔色が悪いわよ」
「あらら、顔には出ちゃってますか……」
「それよりなぜ?」
「言う必要なんて、ないからですよ……」
「なぜ? あなたとあかりたちは仲間でしょう?」
「そこまでのものじゃありませんよ。所詮はただのクラスメイトです」
「それに、毒には多少は慣れてますから。毒で死んだら僕は所詮、そこまでの人間ということです。まあ、死ぬ気はさらさらありませんがね」
「毒に慣れるって……苦労してるのね……」
「あの、天原さん、あまり無理はしないで下さい」
「ははは、心配してくれてありがとう。ののかちゃんは、優しい子だね」
「さて、僕も行きますか……。あの毒女が間宮に叩きのめされるところをみたいんでね。じゃあね。ののかちゃん、今度、お菓子でも持って見舞いに行くよ」
「はい!」
「あんた、場所分かるの?」
「ええ、諜報科が本気を出せば敵の居所を見つけるぐらい朝飯前ですよ」
勇人はひたすら走っている。
(こんなこともあろうかと夾竹桃に発信器を付けておいて正解だったな。この場所はホテルか?)
「ここだな……!?」
やっとの思いで目的地に着いたが、駐車場に目を向けてみると火野が苦しそうに胸を押さえていた。
(火野!? まさか、夾竹桃に毒を……てことは、奴は逃げたってことか……あれ? 発信器が……反応してない? まあ、所詮は安物だからね)
携帯を使い、島麒麟に電話を掛ける。
「なあ、夾竹桃はどこへ逃げたんだ?」
『え!? 天原!? どうしてここに!?』
「そんな細かいことはいいから、早く教えてくれ」
『レインボーブリッジですわ』
「そうか。ありがとう」
「今日は走ってばっかりだな……」
レインボーブリッジにたどり着くと、間宮と佐々木が通行止めと書かれている標識の先へ入っていった。
「やっと追いついた……さて、試合観戦といきますか」
勇人も間宮と佐々木の後を追い標識の先へ……。
「お〜やってるやってる。なるほど……間宮が注意を引き付け、佐々木が強襲する作戦だな。しかし夾竹桃が座っている。トランクはなんだ?」
疑問に思っていると……。
「そのトランク…
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