オーバーロード編
キカイダーコラボSP編
第36話 僕のままで
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インベスかもしれない。光実はつい癖で悲鳴が聞こえた方向へ走り出した。
湾を臨む芝生広場でヤギ型インベスが暴れている。だがヤギインベスが一方的に破壊を尽くしているのではない。
『うおお――りゃあ!』
『せいッ、はー!』
鎧武、ナックル、月花が、協力してヤギインベスに立ち向かっている。
『紘汰くん! ザックくん! おねがい!』
月花がDFボムを投げる。ヤギインベスはDFボムを躱したが、爆発したそれによる煙で鎧武とナックルが身を隠し、左右から同時にヤギインベスにキックを叩き込んだ。
これなら勝てる見込みは決して低くない。光実が加わるまでもない。
そもそも光実はそこに加わることを許されない。紘汰とザックが戦っているとしても。
(それはいい。僕はそれだけのことをした。後悔なんてない)
「ジロー、行こう」
「え。けど、彼らは」
――キュイン。カシャン。
それは、ジローが体を動かす時に鳴る音と似ていた。否、同じだった。
歩いてくる。脳を剥き出しにした、黒い機械人間が。静かに、絶望を撒き散らすように。
「ハカイダー……」
「えっ、あれが?」
ハカイダーのようになりたくない、とジローが言った、あのハカイダー。破壊を目的としたロボット。
ハカイダーは光実とジローとの間に一定の距離を置いて立ち止まった。
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