暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜黒の剣士と紅き死神〜
アリシゼーション編
序章?彼の世界で待つ者
白亜の塔にある者達
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料が全て必要なものなのかどうかは甚だ疑問だ。

「そう言えばアリスちゃん」
「何でしょう?」
「今日はセントリアの夏至祭だが、どうするんだい?」
「もちろん行きますよ。行ってはならない規則は無いですからね」

 教会内の者達の行動範囲は内部の規則によって厳密に決められているが、そこにセントリアの夏至祭を見物に行くのを制限するものはない。
無論、それは規則の抜け穴を突いたものだが、それで怒られるのはお門違いというものだ。
故にアリスは隠すこと無く師にその事を伝える。呆れられこそすれど、止められることはないだろうからだ。

「はぁ……キミのお転婆は慣れたつもりだったが、もう少し大人しくしたらどうだい」
「やるべきことはやってますが。規則も破ってはいませんよ」
「やれやれ……」

 期待通りの反応に自分もかなり強かになったものだと自画自賛していると、師は懐から取り出した小袋をアリスに渡した。

「団子、饅頭、焼き菓子」

 たが、自分以上に強かなこの師には何があろうと敵わない気がした。




















 アリスが部屋を辞すると、男はフッと気を抜いた。

 部屋に張り巡らされていた外界からの干渉を一切遮断する心意障壁が解かれ、同時に彼を監視する不快な存在を感知する。

「何か用かな、鞠玉」
「キィィィィィーーッ??無礼なッ??いい加減人の名前覚えやがれですよゥ。それともその発酵した脳み……ブヒャッ!?」
 
昇降機とは別に彼の部屋に存在する上階への通路が隠されている本棚の向こうから何かが潰れた音がしたが、あの程度で天命を減らすほど柔ではないので特に声はかけない。
 隠し通路に向けていた視線を正面に戻し、手に持っていた紙束を机に放り出すとその通路を厳重に封印する。それから正規の出口から通路へと出た男はボリボリと頭を掻いた。
 特に用事があるわけではなかったが、あのまま部屋にいても面倒な肉塊と会話する事になるだろう。

「……さて」

 彼がよく篭っていた大図書館は数百年前に虚数空間に行ってしまったし、今セントラル?カセドラルにいる騎士達はどの階にいるか行方はしれない。
いや、予想がつく連中は数名いるが、唐突に行った所で模擬戦をするのが関の山だろう。特にあの戦闘狂の気がある副騎士団長あたりは確実に絡んでくる。


 《教会付き剣術指南役》などと大層な役職を担っている彼だが、その実態は怠け者の面倒くさがり。最近の趣味は弟子(アリス)弄りという困った人物だったりする。と、その時。

「失礼します。閣下、少しよろしいでしょうか?」
「ん?」

 横に居たのは軽装の鎧を纏った従卒だった。その手に持つのは綺麗に丸められた羊皮紙。紐の
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