第三章 一話 ネージリンス・ジャンクションでの一幕
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「なるほど、私をスカウトなさいますか。まずはフェノメナ・ログを拝見させていただきたい」
「いいだろう」
ピッピピ電子音を立ててフェノメナ・ログの数値を表示する白野。
「おお…これは素晴らしい。ランキング53位の白野艦長ですか。喜んでスカウトに応じましょう」
「感謝する。パダム・パル」
「それで、ランカーのあなたの目から見て私にどの程度の価値があるでしょうか?」
契約金の額はそちらに任せる、ということである。己の力量に自信がなければ到底不可能な提案である。これも含めて、このパダム・パルという人物は技師としてだけでなく人として信頼できると言える。
白野は一瞬の考慮の末、5000という数字を現した。
バダックPMCで雇用したゲイケットやバークに比べると低くなるが、それでも一般的な整備クルーの雇用費の約四、五倍に相当する契約金である。
「ほお…これほどまでに評価していただけるとは…わかりました。私は喜んで貴方の艦のクルーとなりましょう」
「これからよろしく頼む。パダム・パル」
白野が差し出した手をパダムはしっかりと握り、契約成立と相成った。これでユニコーンに二人目の専業整備士が配属されることとなる。
*
ユニコーン カタパルト
カタパルトでは、今日も今日とてバークがジェガン整備のために右に左に飛び回っている。そんなバークのもっているモバイル端末に、白野からの通信が来た。
「艦長」
「おう、バーク。先ほどユニコーンに新しい機関担当のクルーを雇った。パダム・パルという名前だ。そのうちそっちに行くだろうから、ユニコーンのエンジンについて幾つか説明してやってくれ」
「了解です」
バークにしても立て込んでいるジェガンの整備に専念できるのでそれは喜ばしいことである。それに、彼は白野の人材鑑定技術、所謂【人を見る目】を高く評価している。
白野がこれまでスカウトさてきたクルーは全員優秀であった。今回もまた、御多分に洩れずというところだろう。
しばらく、それまで通りジェガンをいじっていたバークの元にさっそくパダムがやってきた。
「ああ、貴方が」
「始めまして。私はパダム・パルといいます。白野艦長に機関整備士として雇われました。艦長からまず貴方に話を聞くようにと伺ったのですが…」
「わかった。ユニコーンの機関は大マゼラン式。構造と仕様はわかる?」
「ええ」
「それは良かった。取り敢えず実際に説明するからついてきて」
「わかりました」
というわけで、バークは一旦カタパルトを離れてユニコーンの機関室へと赴くことになった。
*
惑星ヘルメス 酒場
ギルドから酒場に戻ってきた白野はそこでクルーを連れて一杯やっていた
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