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宇宙を駆ける一角獣 無限航路二次小説
第三章 一話 ネージリンス・ジャンクションでの一幕
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人ととの顔を合わせての会話というものが重要になってくる。
クルーとして雇用されるということは、雇用主の実力を認めて自身の命を預けることと同義である。故に、その人柄や実力を客観的に評価して数値として表すフェノメナ・ログがこの宇宙ではモノを言う。
そして、白野はその客観的実力をこの上なく備えている勇敢で優秀な0Gドッグなのである。



惑星ヘルメス 酒場

ユニコーンとバウンゼィは、今後の航海のために物資補給を行うためネージリンス・ジャンクションの一星、ヘルメスの宇宙港へと入港していた。
そして、艦長の白野は整備関係の技能を有するクルーを探すべく、酒場に繰り出していた。

「いらっしゃい。何になさいます?」

「とりあえずビール」

明快にそう告げて、ジョッキ半分ほど飲んだところで白野は酒場のマスターに問うてみる。

「ときにマスター。この辺りでフリーの整備技師なんていないか?」

「おやお客さん、整備技師を探しておられるのですか?それならば、耳寄りなお話があるのですが…どうです?料理をたのめば教えて差し上げます」

なかなかに抜け目ないマスターである。しかし、白野も【耳寄りなお話】を聞き逃すつもりはなかった。

「いいだろう。このパンモロ肉のハンバーガーをもらおう」

「まいどあり」

白野は運ばれて来たハンバーガーを齧りながら再びマスターに問うた。

「で、その耳寄りなはなしとは?」

「ええ、実はこの店の裏手の方に規模は小さいんですがギルドがあるんですよ。チャートの惑星施設情報にのるような規模じゃ無いんですが、セグェン・グラスチに入社しようとしてた技師連中が集まってましてね」

「なるほど、腕利きの技師がおおいと?」

「その通り。あとはお客さん次第ですがね」

「いい情報だ。感謝する」

白野は残りのハンバーガーを放り込むとビールを飲み干して立ち上がった。

「まいどありがとうございました」

マスターの声に見送られて白野は酒場を後にした。



惑星ヘルメス ギルド

ヘルメスのギルドは今まで白野が訪れたギルドに比べて整然としていて清潔感があった。カシュケントで訪れたギルドなどは荒くれ者の船乗りが多くおり、タバコや酒の匂いが充満していたものだが、ここではそんなことはない。
そして、そんな割と清潔なギルドの中で白野は褐色の中年男性をスカウトしていた。

「私はパダム・パルといいます。機関整備士としては長いキャリアがあります。お役に立ちますよ」

「具体的にはどのくらいだ?」

「そうですね、十数年と言ったところでしょうか」

それほど長いキャリアがあるのならばユニコーンのじゃじゃ馬な機関も任せられるだろう。そう白野は判断した。
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