危機と白い影 後編
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っきのは?」
「あれは、ゴウラ山で手に入れた力だ」
「説明」
「それはまた今度な、それより皆は怪我してないか?」
俺は皆に聞く。
「大丈夫です」
「同じく大丈夫よ、今度はかすり傷もないわ」
ギーシュとキュルケが答える。
「そうか、よかった」
少しホッとしたと同時に成長してるんだなとも思う。ギーシュなんて最初は戦い方すら知らなかったのにいつの間にか強くなったものだ。
タバサも元々歳のわりには強かったが、少しづつ強くなっている。
「さて、俺はそろそろ戻らないといけない。もう朝出しな」
どうやら、徹夜になってしまったようだ。若干眠い。
「そういえばアルはどうやってきたの?」
キュルケがふと疑問に思ったことを言う。タバサもそれが気になるようだ。
「自作のマジックアイテムを使った」
唖然と言った感じで、マジックアイテム作れたのなどと呟いている。
俺は懐から、薬の入った小瓶を何個か取り出してタバサに渡しながら。
「疲れたときや、傷を治すときに使ってくれ」
「わかった」
タバサが薬を受け取ってから俺は先ほど使ったテレポのしおりを取り出す。
「では、またなにかあったら呼んでくれ」
そう言ってテレポのしおりを発動させようとしたらタバサに止められ。
小さく小声で
「ありがとう。アル」
タバサはそれを言ってから顔を少し赤くした。
「どういたしまして。……テレポのしおり、発動」
そして俺は消えた。
タバサ SIDE
アルは微笑むと青い光に包まれて消えた。
今回はもうだめかと思った。
アルも助けにこれないと思っていた。
でも彼は来てくれた。
物語の勇者みたいにピンチの時に来て助けてくれた。
でも、彼は悪魔だ。
けど、優しい悪魔。
いつも私を助けてくれる。
イーヴァルディではないけれど。
彼は勇者を嫌うかも知れないけど。
私の勇者なのかもしれない。きっとそう。
彼は
私の優しい悪魔の勇者。
SIDE OUT
アルは
『タバサの心の勇者様』
の称号を手に入れた。
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