空白期 第4話 「揃う少女達」
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のか彼女の言動は真っ直ぐだ。真っ直ぐすぎて言われる側が恥ずかしくなる。
「い、良い雰囲気なぞ出しておらんわ! 大体こやつとは昨日会ったばかりぞ!」
「ディアーチェ、世の中には一目惚れというものがあります。恋に時間は関係ないのでは?」
「そうかもしれんが、一目惚れなぞしておらん!」
「ふむ……ではショウの方がディアーチェに惚れたのではないでしょうか」
「なっ……!?」
驚愕しながら真っ赤な顔でこちらを見るディアーチェ。そのような反応をするからレーネさんもシュテルも彼女をからかうのではないだろうか。同じからかわれる身としては同情しかない。
「シュテル……何を根拠にそんなことを言ってる?」
「ディアーチェへの話し方です」
俺の感覚では別にこれといって変えているつもりはないのだが……気が付いていないだけで、どこかおかしかったのだろうか。
「話し方?」
「はい。ショウ、あなたは他人とすぐに距離を縮められるタイプではありません。今では私のことを名前で呼びますが、自然と呼べるようになるまでは時間がかかりました」
そこでシュテルは少し間を置いた。その時間によって、彼女が何を言おうとしているのか理解する。
「ですがディアーチェのことはすでに名前で呼んでいます。出会ったのは昨日と言いましたね? それが真実であるのならたった一日で呼べるようになっているということです。あなたにとって彼女が特別な存在なのではないか、と充分に考えられるではありませんか」
「いや……まあ筋が通ってるといえば通ってるけど。でもはっきり言って一目惚れとかしてないから。名前で呼んでるのは、ディアーチェがそう呼べって言ったからであって他意はない」
久しぶりにシュテルと会話しているが……こんなに疲れるものだっただろうか。
このあと初詣に行くというのに、すでに気力がなくなってきている。ファラも機嫌を悪くしているのか全くしゃべらない。早めに機嫌を直さないと余計に面倒なことになるが、シュテル達がいる状況じゃファラの相手をするのは難しい。
「はぁ……」
「ショウ、ため息をついては幸せが逃げてしまいますよ」
「シュテル、おそらくため息を吐かせているのは貴様だぞ。ショウ、あまり気にするでない。気にしていては身が持たんぞ」
「何だかディアーチェはショウさんに優しいです」
「べ、別に優しくなぞしておらんわ!」
「王さま、ボクお腹空いた!」
「レヴィ、貴様は……! ……いや、落ち着くにはちょうどよいか。ちょうど食事の用意が出来たところだったのだ。ここで騒いでばかりでは話が進まん。一度食事でもして落ち着こうではないか」
「まるでこの家の住人のような発言ですね。否定していましたが、実際は花嫁修業しているのでは?」
「違うと言うておるだろうが
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