空白期 第4話 「揃う少女達」
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に行かぬかと言われてな。断ったのだが押し切られてしまい、今に至る……」
「いえ、私が疑問を抱いているのはそこではありません。なぜディアーチェはショウのエプロンを着ているのですか?」
シュテルの問いにディアーチェはよろけそうになった。彼女の気持ちは大いに理解できる。誰だって真面目なトーンで今のような質問をされれば当然だ。
「貴様という奴は……料理をするときはエプロンくらいするであろう。貸してもらっておるだけよ」
「それは予想がついています。私が言いたいのは、ここには私のエプロンもあるはずなのに何故ショウのエプロンをしているのか、ということです」
「別に大した理由などないわ……シュテルがレーネ殿に似てきておるように感じるのは我の気のせいか?」
と、ディアーチェは独り言を漏らしながら頭を抱えた。その姿を見ていると身内が迷惑をかけているようで申し訳ない気分になってくる。
それにディアーチェは普段レヴィの相手もしているんだよな……俺よりも大変な思いをしていそうで同情してしまう。
「そうなんですか。わたし、てっきりディアーチェが花嫁修業しているのだと思っちゃいました」
「なっ!? ユ、ユーリ、貴様は何を根拠にそのような戯言を言うておるのだ!」
「根拠ですか? 前にレーネさんからショウさんとディアーチェのお父上が子供達を結婚させたいと言っていた、という話を聞いていたので」
「……あの方はなぜ当人には言わずに周囲の人間には言っておるのだぁぁぁ!」
ディアーチェは顔を真っ赤にしながら声を上げた。顔が赤いのは怒りだけでなく、恥ずかしさもあるだろう。
何というか……本当に申し訳ない。あとできっちりと謝っておいたほうがいいかもしれない。それにレーネさんともきちんと話をしておくべきだよな。
「大丈夫王さま、ボクは初めて聞いたぞ」
「私も初耳ですので、おそらくユーリだけだったのでしょう。あまり気にしないほうが良いですよ」
「う、うむ……って気にするわ! よくよく考えれば全員に知られたではないか!」
ディアーチェの気持ちはよく分かる。特にシュテルに知られたというのが嫌な点だ。
ふとしたことがきっかけであいつはからかってくるだろうからな。多分だけど今回の話はディアーチェをからかうだろう。彼女は俺よりも反応するし。
「ショウ、貴様は何を他人事のように振舞っておるのだ! 貴様にも関係があるのだぞ!」
「ディアーチェ、俺の経験から言って君みたいに反応してると余計にからかわれるよ」
「ぐ……それは一理ある。が、我とてしたくてしているのではない」
「それは分かってるよ」
「……何だか良い雰囲気です」
ユーリという少女は、キラキラと輝いて見える瞳を俺とディアーチェに向けている。幼さ故なのか、従来の性格な
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