空白期 第4話 「揃う少女達」
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の線が細いだの顔が可愛いだの言われたことがあるが、瞳に惹きつけられたなんて言われたのは初めてだ。それに俺はレーネさんと違って黒髪で黒目。珍しい色をしているわけではない。この子はいったい何を言っているのだろうか。
――いや待てよ、黒髪黒目が普通だと思うのは俺がここで育っているからだ。魔法世界の住人から見れば珍しいかもしれない。
「そうか……でも個人的には君の瞳の方が綺麗だから人の目を惹くと思うけど」
「い、いえそんなことは……」
「ショウ、年端も行かない少女を口説くとは感心しませんね」
「口説いてない」
いつもどおりのシュテルに安堵する一方、彼女に加えて元気すぎるレヴィの相手もしなければならないと思うと憂鬱な気分だ。
シュテルの発言でファラの機嫌も悪くなっているようにも見えるし、ユーリという少女は素直な性格なのか顔を赤くしている。一言で言えばカオスだな……。
「ショウ、何をしておる。せっかくの料理が冷めてしまうではないか」
頭を抱えていると、朝食の準備を整えたと思われるディアーチェが現れた。今日訪れるのはシュテルだけと聞いていた彼女は、レヴィやユーリの存在に驚愕の表情を浮かべている。
ディアーチェの姿を見た少女達も同様に驚きの表情を浮かべ、反射レベルと呼べそうなほど素早くレヴィが口を開いた。
「あっ、王さまだ!」
王さまというディアーチェの呼び名に疑問を抱いたが、彼女の態度は王さまと言えば王さまだ。それに昨日親しい人間からはレヴィのような呼び方をされていると聞いた。
彼女のフルネームはディアーチェ・K・クローディア。Kはキングスの略ということなので、由来はそこからだと思われる。
「……なるほど。妙に騒がしいと思ったらレヴィがおったのか」
「何で王さまがここにいるのさ! 昨日一緒に遊ぼうと思ってたのに。あっ、まさかショウのお菓子もすでに食べてるんじゃ……!」
「ええい、やかましい! 人様の家で大声を出すな!」
言っていることは同意するが、ディアーチェも充分に大声を出していると思う。とはいえ、救世主であることに代わりはないため何も言わないでおく。
彼女達の中ではディアーチェが最も力のある立場なのか、怒鳴られたレヴィはしょんぼりと俯いてしまった。その姿を見た彼女は罪悪感を抱いたのか、すぐにフォローを始める。機嫌が直ったレヴィに抱きつかれ顔を真っ赤にする彼女から「こっちを見るな!」といった視線を向けられたのは言うまでもない。
「ディアーチェ、私も疑問があります」
「ここにおる理由か? それはだな、昨日ここに来たのは恩師であるレーネ殿への挨拶と家族であるショウへと挨拶をするために来ていたのだ。本当は昨日帰るつもりだったのだが、レーネ殿に貴様が今日ここを訪れるから一緒に初詣とやら
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