6部分:第六章
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のかは言うまでもない。だが、だった。
「けれどね」
「彼氏だった相手はおったか?」
「いなかったわ」
首を横に振ってだ。アリサは答えた。
「いたことはいたけれど」
「いたのか」
「腐った果実になってね」
古い歌のタイトルをだ。そのまま言ってみせた。
「それでいたわ」
「首を吊っておったか」
「死んで随分経ってたわね」
アリサはヘンリーのその死体の話もした。
「腐ってね。首は落ちて身体も同じで。残ってた遺書には罪の意識に耐えられる云々ってあったわ」
「吊るされた体が腐って落ちておったか」
「そういうことよ。まあ細かいことは言わないけれどね」
「十分じゃ。首を吊った人間のことは知っておる」
「それもなのね」
「生きておれは知ることが多い」
それでだ。知っていくというのだ。そういうしたこともだ。
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