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銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません
第百七十四話 ヴィレンシュタイン星系で
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き皇帝陛下に成られるであろうに惜しすぎる。

「其処で、卿等はアムリッツアで待機後、我々が叛乱軍と戦闘を行い殿下の罠が発動する2日前にアムリッツアよりイゼルローン回廊へ進入し、決行時の突入戦力と成って貰う」
「成るほど、戦果の拡大ですか」

「しかし、イゼルローンツヴァイは未だ未完成では無いのですが?」
「敵を欺くにはまず味方からと言うであろう。既にツヴァイは稼働状態だ」
「成るほど、何処に敵の耳があるか判りませんからな」

「それもあるが、フェザーンの犬が多くてな。今回はその線から、殿下の極秘行動表を流した」
「つまり、フェザーンを利用したと言う訳ですな」
「そう言う事だ」

此処で納得した。今までの話をビッテンフェルトが聞いたら、艦隊を無理にでも同行させようとするであろうし、わめき立てて艦隊中に知れ渡るであろう。

「ケスラー提督、ビッテンフェルト提督が呼ばれていないのは、このためですか」
「そうだ、卿等は冷静に対応できるだろうが、ビッテンフェルト提督は大騒ぎになるだろうし、説得したとしても普段と違う行動で、疑問に思われるだろう」

「で、ビッテンフェルトは今どうしているのですか?」
「卿等を呼ぶ前に、殿下の突然の謁見を受けて艦隊中で大騒ぎになっている最中だな」
「なんとも」

「殿下も、策士ですな」
「そうだな。それでメックリンガー提督が増援部隊の指揮官となる」
「小官がでありますか?」

「そうだ、卿が最先任であるし、それだけでは無く“卿ならば的確に作戦のタイミングを計ることが出来る”と殿下からの推薦だ」
「殿下が」

「“ビッテンフェルト提督では、何も考えずに突っ込んでくるであろう。ミッターマイヤー提督では、ビッテンフェルトを押さえきれないであろう。それならば、普段は物静かだが、いざとなれば殴ってでも止めることの出来るメックリンガーを当てよ”と殿下がな」

殿下とも付き合いが長いが、私の性格を良く知っていらっしゃるようだ。此は是非ともご期待に添わねばなるまい。
「判りました。殿下のご期待に添える様に致します。ミッターマイヤー提督良いかな?」
「無論です。メックリンガー提督ならば、安心して指揮を任せられます」

「此が作戦計画書だ」
ケスラー提督に渡された作戦計画書を読んだが、この作戦を殿下がお考えになった、それだけで驚愕したが、内容が更に驚愕物であった。

「ケスラー提督、此が」
「そうだ、殿下の恐るべき才能の片鱗と言えよう」
「確かに、此処まで費用効果と人命重視の作戦とは」

話の後、封印された作戦書をケスラー提督から私が渡された。
「そう言う訳で作戦書は、メックリンガー提督自身が保管し、時期有るまでビッテンフェルト提督には見せぬようにしてくれ」
「はっ」

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