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銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません
第百七十四話 ヴィレンシュタイン星系で
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万が一の事が有ったらどうなさるつもりですか?」
「そうならないために、卿等を此処まで呼んだのだ」

「つまりは、我々が援軍として待機せよと言う訳ですか」
「そうだ、卿等の艦隊は2週間に渡って完熟訓練を行い。12月15日この地からアムリッツア星系へ移動してもらう。アムリッツアへは1月1日前後の到着となり、其処で別命が有るまで待機という事に成る」

「お言葉ですが、それではイゼルローンの防衛は40000隻強でしか有りませんぞ」
「そうです。我々の3個艦隊45000隻を先に配置したおいた方が良いのではありませんか?」
「そうすれば、叛徒がどの様な戦略で来ようと、臨機応変に作戦が出来ると愚考しますが」

「卿等の心配は尤もだが、今回の捕虜交換、殿下の慰問が全てイゼルローンツヴァイによる叛乱軍撃滅の為の布石なのだ。しかもこの作戦自体が殿下御自らお考えになった事だ」

「殿下御自らとは、ケスラー提督冗談は止めて下さい」
「ミッターマイヤー提督、残念ながら事実だ」
「待って下さい、殿下は正式な軍事訓練などはお受けに成られていないはずです。軍事的な素人が立てた作戦を採用するはずが無いのではありませんか?それに、不敬ではありますが、皇族が自らを囮にするなど聞いた事もありません」

「メックリンガー提督、確かに殿下は正式な軍事訓練は受けてはいないが、幼い頃より政略軍略に秀でた物をお持ちで有られた。今だから言うが、第5次イゼルローン攻防戦の囮艦作戦、ヴァンフリート星域会戦での敵基地攻略、更にイゼルローンツヴァイ建造などの原案をお立てに成られたのは殿下なのだ」

「驚きました、流石殿下で有られますな」
殿下が、あの作戦の原案を、確かにあの様な作戦を士官学校出身参謀で立てることは難しいだろう。しかしまさか殿下がお立てになっていたとは……ミッターマイヤー提督、簡単に喜んでいる卿が羨ましいぞ。

「しかし、殿下のお考えとは言え、陛下がお許しになったのが不思議でございますが」
「その点だが、陛下も殿下の説得に折れた感じだ。殿下曰く“皇帝陛下は、オーディンから動くことは出来ないが、それだからと言って、兵達を送り出す掛け声だけではいけません”と仰られて、それからこの作戦まで動くことになった訳だ」

「しかし、殿下が危険に晒される事は避けるべきでは」
「そうです、例えば影武者を送るとか」

ケスラー提督は我々の話に頸を振った。
「我々もそれを言ったのだが、殿下が“五百年兵を養うはいったい何のためと考えるか”と仰られて、更に“兵の命を塵芥の如きに扱う貴族将校の多きことか、それを是正する為にも行かねば成らぬ”と」
「殿下は、我々のことをよく考えてくれているわけですな」

殿下がそれほどの御方とは、惜しい惜しすぎる、殿下が男児で有られれば良
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