第30局
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の四、星」 −4の十六、星 「4の十六、星」
『17の四、小目』 −4の三、小目 『 4の三、小目』
−ちくしょうっ!小島の奴はオレより下手だし、1年の奥村なんてもっと下手だ!俺よりも少ない手数でやられちまう!なんなんだこいつ、何でこんなことができるんだ!!
5分もたたないうちに形勢は大きく傾いていた。佐為に。
−伊藤の話を聞いたときは面白いと思ったのに…。なんなんだこいつは!ほんとに年下の奴にこんなことができるってのかよ、しんじらんねぇ!
−ありえねーだろー。こんなの、人間業じゃあねえよー。
奥村の心の叫びは、見事に正解を射止めていた。人間業ではなく、幽霊技とでもいえばいいのだろうか。しかし、この場の3人の誰もそのありえない事実に気づくことはなかった。
「あら、何で電気が点いてるのかしら」
そういいながら、部室のドアが開いた。開けたのは、囲碁部3年の日高だった。
「やべ…。日高先輩…」
日高は部室の中の様子をざっと眺めた。日高の登場に驚きうろたえる3人の部員と、先日の1年、進藤ヒカル。
「伊藤に小島…。あんた、1年ね。ちょっと。何やってんのよ」
「いえ、あの、尹先生がこの部屋を片付けてくれというので、ちょっと進藤に…」
「オ、オレ達も進藤に指導碁頼みたかったんスけど、進藤は手が離せなくて…」
「だから?」
「ちょっと目かくし碁を……」
「バカ!何が進藤は手が離せないよ。だったらあんたたちも手伝えばいいでしょ!」
状況を把握した日高は、激昂した。正義感の強い日高が許せる状況ではなかった。
「進藤!こんな片付け私がやるから、あんたはその2人をさっさとやっちゃいな!」
「あー、日高先輩だっけ、落ち着いて落ち着いて。盤面をよく見てよ」
のんびりとしたヒカルの口調に少し戸惑いつつ、日高は盤面を眺めた。
−これは…。手数は少ないのにどちらも白が圧倒している…。これが目かくし碁だって言うの?目隠し碁なんて普通できるわけないのに…。この程度のことじゃ、進藤には嫌がらせにもなってないってこと?
「ね。まったく問題ないですよ、先輩。ちょこっと”指導”してあげてただけなんで」
「で、でも!」
「あーっ!ヒカルッたらこんなところにいたーっ!!」
開いたままの扉から叫び声がしたかと思うと、あかりが飛び込んできた。
「あ、あかり!」
「もー、かばん置いてどこに行ったのかと思ったらこんなとこでっ!何で私に黙っていなくなるのっ!」
「あー、いや、その、これは…」
−あらー、ヒカル、あかり怒ってますよ。
−そんなの見りゃ分かるっての!
突然のあかりの乱入に、今度はヒカルがうろたえた。
「私をほっ
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