3部分:第三章
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第三章
ピストルだけではない。ライフルに散弾銃、自動小銃、軽機関銃まで買った。その彼女を見てだ。アフリカ系の店員が笑いながら言うのだった。
「何だよ姉ちゃん、凄いな」
「凄いって?」
「ガンをそこまで買ってな。何のつもりだよ」
「何に見えるかしら」
「彼氏とその浮気相手を殺しに行くのかい?」
店員は笑顔でジョークを飛ばした。
「それでなのかい?」
「それだとピストルだけで充分でしょ」
アリサは笑ってこう返した。全身にその買った銃を武装させながらだ。
両手に腰に背中にだ。さながらランボーの如き有様だ。その姿で言う彼女だった。
「彼氏とその浮気相手だけなら」
「まあそうだね」
店員も彼女のその言葉に頷く。
「それは確かにそうだね」
「そうでしょ。ここはではしないわね」
「じゃあ戦場にでも行くのかい?」
店員の次のジョークはこれだった。
「アフガンかい?それともイラクかい?」
「ニューヨークよ」
アリサもジョークで返した。しかしこれは真実を含んだジョークである。
「そこに行くのよ」
「おやおや、この街かい?」
「そうよ。ちょっと行って来るわ」
「ニューヨークねえ。銀行強盗は絶対に捕まるから止めておきなよ」
「銀行強盗ね。趣味じゃないわ」
「そうなのかい」
「仕事はないけれどね。そうした犯罪には興味はないわ」
興味があるのはだ。別の犯罪だというのである。
「そういうことだからね。それじゃあね」
「そうかい。じゃあ」
「ええ、それじゃあね」
こんな軽いやり取りをしてから店を後にしてだ。そうしてである。
アリサは一旦老婆のところに戻ってピストルを持って車に乗りすぐにだ。最初の一人の部屋に向かった。チャイムを鳴らしてだ。
出て来た柄の悪い男の顔にだ。いきなりピストルを突きつけた。
男は彼女の顔を見てだ。真っ青になった顔で言うのだった。
「手前は・・・・・・」
「死んで」
冷酷な言葉を同じ目で見据えながら出してだ。それでだった。
ピストルの引き金を引いた。それで額を撃ち抜いてからだ。
仰向けに倒れた骸に何度もその引き金を引く。そのうえで血溜まりの中にある男をそのままにしてだ。まずは老婆のところに戻った。
老婆はだ。返り血にまみれた彼女を見ながら言うのであった。
「早速じゃな」
「ええ、見ての通りよ」
「しかし。派手じゃのう」
「派手かしら」
「その格好で車に乗ってここまで来たのじゃな」
「ええ、そうよ」
「次からは気をつけることじゃ」
自分の部屋の中にいる彼女を見ての言葉だ。
「それで警官に職務質問されたら一発じゃぞ」
「ゲームオーバーってことね」
「そうじゃ。まあ黒い服じゃと血は目立たん」
赤が黒の中に消える。そういうことで
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