2部分:第二章
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第二章
「あちこちを移り歩くしな。匿うこともできる」
「そうなのね。じゃあ」
「うむ、それをするのなら手助けはする」
またアリサに話す老婆だった。
「そうするが。どうじゃ」
「乗ったわ」
アリサの返事は一言だった。
「その話にね」
「うむ。ではそうするのじゃ」
「不思議なものね。決めたらね」
アリサの目に光が戻ってきた。それは憎しみに満ちた光だった。
その光を青い目に宿してだ。そうして話すのだった。
「気力が湧いてきたわ」
「湧いてきたか」
「後は相手を見つけて」
どうするか。そういう具体的な話にもなった。
「始末していくわ」
「うむ、ではそうするのじゃ」
こうしてだ。アリサは自分を陵辱した者達に復讐することになった。その五人の名前と顔を老婆に話すとだ。手掛かりはすぐに届いた。
五人はそれぞれニューヨークにいた。アリサが今いるその場所だ。その住所もわかった。
「よくわかったわね」
「ロマニじゃなからな」
老婆はアリサに答える。話している場所はあの道だった。アリサはそこで五人のそれぞれの住所が書かれたメモを受け取ったうえで老婆の話を聞いていた。
「独自の情報網があるのじゃよ」
「独自のね」
「知り合いに探偵がおるのじゃ」
笑って話す老婆だった。
「同じロマニのな」
「同胞の力を借りたのね」
「そうじゃ。それで後は」
「わかってるわ。殺していくわ」
凄みのある、残忍な笑みを浮かべてだ。アリサは言った。
「一人残らずね」
「そうするとよい。しかし」
「しかし?」
「ちょっと待っておれ」
老婆はアリサにだ。あらためて話すのだった。
「一つ占ってよいか」
「占い?」
「わしは占い師じゃ」
このことを言う老婆だった。
「ならば占って当然だと思うがのう」
「そうね。言われてみればね」
アリサもだ。老婆のその話を聞いてだ。
納得した顔で頷いてだ。こう彼女に言うのだった。
「それじゃあ。私のことを占ってくれるのかしら」
「三十ドルじゃ」
「少し高くないかしら」
「これ位が妥当だと思うがのう」
「後で追加でもっと払えとか言わないん?」
「安心せい、それがない」
老婆は皺だらけの顔を綻ばせて老婆に話す。あらためて見ればだ。
黒いフードのローブを来て高い鼻の老婆はだ。まるで魔女だった。ニューヨーカーらしく黒いジャケットにティーシャツ、ジーンズというラフな格好のアリサとは正反対のだ。かなり時代がかった格好である。
その老婆がだ。笑ってこう言ってきたのだ。そしてだ。
老婆は水晶玉を出してきた。それでだ。
その中を見る。それが終わってである。
彼女はだ。こうアリサに話すのだった。
「五人には復讐できるぞ」
「できるのね」
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