第百二十三話
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第百二十三話 話は行われても
誰の家でカレーを作るのか、七人は話し続けた。しかし何処にするかは話しても中々決まりはしなかった。
どの娘の家もだ、これがだった。
「その日駄目なの」
「私のところもよ」
美樹と赤音が申し訳ないといった顔でメンバーに答えたのだった。
「その日お客さんが来るから」
「うちはお姉ちゃんが朝から晩御飯の用意するからね」
「それで駄目なの」
「実はお姉ちゃん料理に凝っててね。それがまた上手なのはいいけれど」
赤音は何気に姉自慢も入れていた、だがとにかくだった。
二人は駄目だった、そしてだった。
春奈もだ、申し訳ない顔で言うのだった。
「私もなの」
「春奈ちゃんもなの」
「そうなの、お客さんが来られて」
「台所使えないのね」
「御免なさい」
「うちもなのよ」
梨花もこう言うのだった。
「これがね」
「そうなの」
「そう、うちは妹がはじめてお料理作るから」
「だからなの」
「お母さんが用心の為につくからね」
「じゃあ梨花ちゃんのお家も」
「そう、駄目なの」
必然的にだ、そうなってしまうというのだ。
「私の方もね」
「じゃああたし達のお家で?」
「そこで作ることになるかしら」
ここで言ってきたのは華奈子と美奈子だった。他の五人のお家が駄目なら消去法でそうなることだった。
「それじゃあね」
「私達のお家でね」
「お願い出来るかしら」
梨花もこう二人に返した。
「二人のお家でね」
「うん、ちょっとお母さん達に確認してね」
「そうしてからね」
親に確かめてから、というのだ。
「まあ若し駄目でもね」
「何とかなると思うから」
「ネガティブやな、けれど何かあってもな」
それでもだと言う亜美だった。
「いけるやろな」
「そう、多分ね」
「何とかなるわよ」
華奈子と美奈子も亜美に応えてだ、そしてだった。
例え駄目でもどうにかなると前向きに考えてだった、そうしてカレーを作ることを決めていた。困難に立ち向かうことは決めていたのだ。
しかしだ、その七人を見ている人がいた、その人達はというと。
「何とかしてあげる?」
「そうね」
こう話すのだった、その人達が誰なのかは七人は知らなかった。しかし思わぬ助け舟が出ようとしていたのである。
第百二十三話 完
2014・4・11
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