暁 〜小説投稿サイト〜
八神 颯介
エリオ・モンディアル
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度も何度も何度も何度も何度も。

僕は手を踏み潰され、タバコを押し付けられ、ま たナイフで切られた。

それが、僕が与えられた「信じる」苦痛だった。

あれは、もう感じたくない。 だから、人を信じなくなった。 何をされても、裏があると思うようにして、一切 の感情を消した。 人形と呼ばれるのも、ソレが原因だ。 笑うことも、苦しむことも、泣くこともなく、無 表情であり続ける。 それが、今の僕だった。

だから、今僕を背負っている人も、きっと僕を貶 めようとしてるんだと思った。 優しくして安心させて、一気に絶望させる気だ。 だから、眼を開けなかった。 話しかけなかった。 それが、僕のできる抵抗だったから。

でも、その後起きたことは想像を超えるものだっ た。 いきなりの轟音。 ビックリして後ろを見ると、かつて見た施設が爆 発していた。 僕がさっきまでいたところだった。

そう、僕は外に出ていたんだ。

(なん、で…?)

信じられなった。 もう一生出られないと思って、諦めていた。 二度と見られないと思っていた太陽。 ソレが今、僕の目の前にいた。

颯介「もう、大丈夫だ…」

僕を背負う人は、そう言ってきた。 透き通った綺麗な声。 邪気しかなかった研究所の人たちとは、全く違 う。

でも、信じられなかった。

「…今度は、何するの…?」

「え…?」

その人は、僕の質問に困っているようだった。

「殴るの? 蹴るの? 切るの? 焼くの? お 薬を飲ませるの? 電気を通されるの? 潰され るの? ご飯を抜くの? 服を取るの?」

「…」

「分かってるよ。 喜ばせて一気に叩き落とすん でしょ? 前にやったんだから、こんなことして も無駄だよ。 お家爆発させて、大丈夫だった の?」

颯介「お前の家はおそこじゃない…」

「だから、そんな事言わなくてもいいよ。 … あぁ、そうか。 違う研究所に移す、って意味で しょ。 お見通しだよ、そんなこと」

自分でもおかしいと思うくらいに饒舌だった。 人形と言われる自分が、ここまで喋るのは久しぶ りだった。 変な形だったけど、なぜかこの人には心が許せた んだ。 それと同時に、今までの感情が目からあふれてい た。

「あぁ、もうお日様は見れないのか。 じゃあ、 今のうちに一杯見とかないと…。 いいよね、ど うせ視力が落ちても無理やり回復されるんだか ら…」

颯介「…お前は…」

「…なんだよ、それすらダメなの…? ……… だったら、だったら何すればいいんだよ!」

颯介「これから、していけばいいんだ「うるさい! 大嘘吐きめ!!」」

貯め込んでいたモノが、一気に流れ出た。

「ずっとずっとずっと痛い事をして! 苦しい事 をして
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