第四章
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第四章
二人が注文したのはだ。まずはだ。
パエリアである。それに加えてだ。
赤ワインだ。それとガスパチョだ。その三つでを前に並べてだ。食べながら話をするのだった。
「流石に牛はね」
「今すぐには食べられないな」
「そうね。少しね」
苦笑いをしながらだ。話す二人だった。
それでパエリアとガスパチョなのだった。その二つを前にしてだ。
美和子はだ。こんなことを言うのだった。
「けれどこのパエリアってね」
「美味しそうだよな」
「ええ、本当にね」
こう話してだ。その黄色の御飯の中に鳥の手羽先やら海老に貝、烏賊、そしてトマトが入っただ。そのパエリアを食べてみる。するとだ。
その味は見事だった。二人が満足できるものだった。
鶏肉も魚介類も実に美味い。よく火が通りだ。香辛料も効いている。トマトも絶妙だ。そのパエリアを食べてだ。満足して話をする。
「本場だけはあるな」
「日本のとはまた違ってね」
「ああ、いいよな」
「違うわね」
「そうだな。このパエリアも」
話はだ。今はそれが軸になるのだった。
「日本のものとはまた違ってな」
「ああ。これが本場の味なんだな」
「日本のものより味が濃くないか?」
慎太郎はそのパエリアをスプーンで食べながら話した。
「何かな」
「そうね。言われてみればね」
「トマトの味が特にな」
「トマト。かなり多いわね」
見ればだ。トマトはだ。
日本のパエリアよりもさらにだ。多く使っていた。そしてだ。
その味がだ。日本のそれよりもだ。トマトの味が強くなっていた。
それでだ。二人は話すのだった。
「その他の料理もな」
「そうよね。トマト使ってるわね」
「トマトといえばイタリアだが」
「スペインもなのね」
「そうだな。しかしな」
慎太郎はここで笑顔になってだ。こう言うのだった。
「美味いな」
「そうね。スペイン料理もね」
「いいな。それで明日の昼はな」
「明日のお昼?」
「何を食べる?」
次に話すのはだ。そのことについてだった。
「何を食べようか」
「そうね。明日は明日で考えればいいんじゃないかしら」
「また明日か」
「ええ。まずはパエリアを食べてね」
何はともあれそれだった。今食べているそのパエリアをだ。
そしてだ。さらにだった。
二人のところにだ。あるものが来た。それは。
パンだった。そのパンを見てだ。美和子は目を少し丸くさせてこう言うのだった。
「もう御飯あるのね」
「ああ、スペインというか欧州じゃな」
「欧州じゃ?」
「御飯はおかずなんだよ」
「あっ、パンが主食だからね」
「それでなんだ」
このことをだ。妻に話す彼だった。
「それでパンが出て来たんだよ」
「成程、そうなのね」
「
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