忠告
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ドサッと落ちたジュビアは、一瞬にして傷だらけとなった。
「う・・・くっ・・・」
「ほう、俺の魔轟爆陣を喰らって生きているとは・・・無駄にしぶとい女だ」
ボロボロ状態だが起き上がろうとするジュビアに目を向け、ザイールは呟く。
魔轟爆陣―――――それは、ザイールが敵だと見なした者にだけ使う、高威力の爆発魔法。
バンバン使うような魔法ではない。
ザイールが相手を敵だと見なす事など、滅多にないのだから。
「何でっ・・・何で、幽鬼の支配者の名前を・・・」
そんな状態でありながら、ジュビアの問いに変化はない。
何故ザイールが何者かを聞く事が幽鬼の支配者の名前が出る事になるのか・・・それがジュビアには解らないのだ。
「何で、だと?」
その問いに、ザイールはピクッと眉を上げる。
そして―――――変わらない声色で、告げた。
「かつて所属したギルドの名を出すのは禁忌では無いはずだが?」
ジュビアは目を見開いた。
かつて所属したギルドの名―――――その言葉が意味するのは、ただ1つ。
それと同時に、ジュビアの脳裏にとある記憶が流れた。
「ここが幽鬼の支配者・・・」
「そうですよ、今日からあなたの所属するギルドとなる場所です。ここは支部ですので、あとで本部も案内しましょう」
物珍しそうにきょろきょろと辺りを見回すのは、幽鬼の支配者に加入する前のジュビアだ。
暗い色のコートに外に巻いた青い髪、胸元にはてるてる坊主で手にはピンクの傘を持つ。
そんなジュビアを案内するのはマスタージョゼだ。
「マスター、と・・・新入りか?」
「ああ、丁度いい所にいましたね」
「今仕事から帰って来たところだ・・・で、その女は?」
ジョゼに声を掛ける青年に、ジュビアは目を向けた。
黒髪に黒装束という、暗闇に隠れてしまえば絶対に見つけられないような姿。髪の下から覗くつり気味の黒い目。
その右手の甲には、幽鬼の支配者の紋章が刻まれていた。
「紹介します。彼女はジュビア・ロクサー。今日からこのギルドに入る、水の魔導士です」
「ジュ、ジュビアですっ!これからよろしくお願いしますっ」
突然の事に思わずジュビアは戸惑いながらもペコリと頭を下げる。
青年は友好的な笑みを浮かべたまま手を差し出した。
「俺はザイール・フォルガだ。よろしく頼む」
「嘘・・・そんな・・・っ」
「思い出したようだな。俺が誰かを」
信じられなかった。
信じたくなかった。
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