忠告
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」
「困ったどころじゃないわね」
肝心な事を言わずに気を失ったマミーを見て、2人は同時に溜息をついた。
「チッ・・・」
ザイールは自分でも無意識のうちに舌打ちをしていた。
目の前で怒るジュビアの怒りは未だに収まらず、それどころか怒りが増幅されている気もする。
今までで1番面倒な奴を相手している、とザイールは何の根拠もなく、そう思った。
「っ・・・」
一方、ジュビアはジュビアで違和感のようなモノを抱えていた。
爆発系の魔法―――――――爆魔術と呼ばれる魔法を操るグレイ似の青年(そう思う度にジュビアの脳裏に本物より5倍はイケメンのグレイが現れる)を、どこかで見た事がある気がしてならないのだ。
(でも、ジュビアの知り合いにこんなにグレイ様に似ている人っていたかしら・・・?)
記憶を片っ端から引っ張り出していくが、どう漁ってもザイールという青年に関する記憶はない。
だが、ジュビアは記憶喪失になった事など当然ないし、特定の記憶を抜かれるような実験の実験台にされた事も当然ない。
という事は面識がないという事なのだろうが、それにしては違和感が大きすぎる。
「あなたは一体、誰なんですか?」
どう考えても思い出せないジュビアは思わず訊ねた。
その問いにザイールは動きを止め、目線を下へと下げる。
そして―――――ゆっくりと、口を開いた。
「かつて幽鬼の支配者に所属していたとは思えない発言だな」
「は・・・?」
ジュビアは首を傾げる。
何故今ここで幽鬼の支配者の名前が出てくるのかが解らない。
その姿を見たザイールは「滑稽な」と小さく呟いた。
(何を・・・?)
ザイールの行動と言動の意味が解らず、ジュビアは戸惑う。
するとザイールは――――
「!」
刹那、小規模の爆発が起こる。
ザイールが先ほどいた場所から煙が立っている事を見ると、足元を爆発させて飛び出す威力を高めたのだろう。
ジュビアがそれに気付いた時には、ザイールは既にジュビアのすぐ前にいた。
黒いつり目が、残酷に輝く。
「一撃必殺――――――――」
「っしま・・・」
一撃必殺。
その言葉が意味する事に気づいたジュビアは慌てて距離を取ろうとする。
だが、ジュビアの行動より、ザイールの魔法の方が早かった。
「魔轟爆陣!」
藍色の魔法陣が展開する。
ザイールの鋭い声に反応したように魔法陣が輝き―――――爆発した。
「あああああああああっ!」
ジュビアの絶叫が響く。
タン、と距離を取るザイールの様子は変わらない
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