赤マントにつつまれて
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「 うらあっ! 」
「 ────甘いッ! 」
ある森の開けた湖畔で、戦士のルーネスと赤魔道師のイングズがいつものように手合わせしていると………
突如、蒼き幽霊のような魔道師の姿をしたモンスターのソーサラーが二匹現れ、ルーネスへ向け二匹同時に<ファイラ>を放ってくる。
「うぉあ゙っち〜〜!?」
突然の事に驚きパニクって、全身炎に巻かれたルーネスは思わず近くの湖に飛び込む。
「く……、不意討ちとはやってくれる。はぁッ!」
イングズは一人、片手剣でソーサラーに立ち向かう。
「ゔ〜、湖がすぐ傍にあってよかったぜ……って、おれも加勢しないと!───せぇりゃ!!」
ルーネスはすぐに湖から飛び出して、ソーサラーの1匹に二刀流の踏み込みで倒す。
……もう一匹も既に、イングズの剣捌きによって倒されている。
「大丈夫かルーネス、回復が遅れてすまないな」
そう云って<ケアルダ>を掛けてくれる。
「いいって別に、あの時回復に走ってたらイングズも魔法の標的になってただろうし………へっくし!」
「お前………ずぶ濡れだな。乾かした方がいい、焚き火用に枝でも拾ってくるか」
「へ? あ、じゃあオレも……へっくしゅん!」
「 ────マント置いていくから、装備している物を脱いでそれを身に纏っておけ、すぐに戻る」
イングズはそう云って、赤マントを外してルーネスに渡し、一人森の周辺を歩いてゆく。
取り残されたルーネスは、云われた通りにして待っておく。……冷えた体に纏った赤マントが、さっきまでイングズが身に付けていたせいか温もりを感じ、心地いい。
暫くして戻って来たイングズは、両腕いっぱいに大小様々な枝を抱え、近くの程好い高さの木の枝にルーネスの濡れた装備品を引っ掛け、その下で焚き火を焚く。
「ふぃ〜、あったけ〜……。にしてもさっきの二匹、オレを火攻めにしやがって……! イングズだって、いたのにさっ?」
「単にその時、お前を狙い易かったんじゃないのか」
「ん〜、イングズが火攻めにされて湖飛び込んでずぶ濡れなってるとこ、オレとしては見たかったなー」
「何を云ってるんだ、炎系魔法を使われた際、湖が傍にあるとは限らない。すぐに回復出来る手段を使うか、次の手を使われる前に相手を倒すか、だな」
「そりゃそうだろうけどさ………ん? 何だ、アレっ」
急にルーネスは、湖の向こう側へ目をやる。
「どうした、また何か現れたか?」
イングズは思わず身構える。
「いや、なんつーか………アレだよ、あそこ!」
ルーネスはつと立ち上がって、赤マントを身
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