『プロローグ』
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襲ってくる賞金稼ぎを能力でなぎ倒しつつ、自分のあり方を探す毎日。その間に中国の羅刹王やどこぞの拳王を名乗る者たちと力試しをしたのはいい思い出だ。能力を研鑽する毎日を送った。
気がつけば転生してから数十年。私は知る人ぞ知る強者となっていた。その時にはもう自分の賞金は無くなっていたし、追いかけて来ても、皆が私の能力の餌食になるものだから意味が無いと判断したのだろう。さらに逃亡を繰り返しているうちに見聞色の覇気が鍛えられたため、私を見つけることは砂漠から一粒の砂を見つけることより至難の業となっただろう。
適当に安住できる場所を調べ、その土地を買い占め、そのまま退屈しのぎに道場を開いた。
それがここ、駒王町だっただけの話だ。これが数年前の話。
一応道場の門下生は募集しているし、総合武術として習いに来る子どもたちも多い。たいていの修行は我が道場の師範代の曹操に任せている。そして、今は原作と絡みたいがゆえに駒王学園の先生として物理を教えている。
そんな私は今、夕食を食べていた。今日はチンジャオロース。チンジャオにちなんだとか行っていた曹操を張り倒した。しかしさすがは英雄だけある。なかなか料理が旨い。ご飯がよく進む。
すでに彼らが下宿を初めてもう1年。最初の数ヶ月はこの道場でのルール(私)を教えこむために大気を歪ませたり、地震を起こしたりしていたが最近ではよく気がつくようになっていた。私の行動を全て先読みするその行動力。賞賛に値する。彼らも私の癇癪は怖いのだろう。自分で今すごいことを言っているのは理解しているのだが、なかなかどうしてか彼らは小間使いとしての才能も持っているようで……
今日もなかなかの出来栄えですね。ごちそうさまです。そう呟きながら手を挙げる。すると音もなく学ランを着た曹操が現れて食器を片付ける。最近はどこぞの使用人より使えるようになった曹操である。そろそろご褒美をあげないといけませんね。きちんと躾けるためには飴と鞭は必要です。あ、デザートはシュークリームで。
食べ終わったあとは道場の奥の自分の部屋で服を着替える。
もう風呂は食事前にとったので、そのあとは床の間で寝るだけである。
明日は授業が6時間も入っているのだ。なかなかに辛い。
明日の予定を確かめながら最近曹操とゲオルグがハァハァ言いながら押し付けてきたパンダパジャマに着替える。この姿を見られるのは朝だけなのだがそれでも満足らしい。
―――
色素が抜けたようなきめ細かい白い肌。筋肉はついていながらもそれでいて柔らかい女性特有の体つき。強く抱きしめればそれでいて折れてしまいそうな彼女であったが、間違えてはいけない。
彼女はグラグラの実の能力者。ただでさえ【六式】を極めている彼女に襲いかかる勇者は居なかっ
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