第一物語・後半-日来独立編-
第七十二章 竜神《4》
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繋げて姿勢を保ちながら進んでいく。
遠目でそれを見ていた繁真は日来の長が無事なのを確認し、自分もやはりこの場にいても無意味なことに気付く。
「取るべき行動か。ん? あれは玄次郎殿ではないか」
視力には自信がある繁真の目が捕らえたものは、貿易区域にて進んでいる九鬼・玄次郎だ。
長である央信の元に向かっているのが見え、こちらに気付いたのか玄次郎が親指を立てながら合図を出した。
映画面|《モニター》を表示してこないのは、単に面倒だからということもあるのだろうか。
彼との付き合いは長い。
親指を立てたのならば、こっちは任せろということだ。
玄次郎といまだ見えぬ王政に央信を任せるとして、自分は傷付いた清継の元へと向かうことにする。
治癒系術は携帯しているが、効くかどうか。
悩んでいても仕方が無い。
「変更だ。竜神への特攻は中止、時間を稼ぐために防御壁を用いて竜神を足止めしろ」
映画面を表示し、各戦闘艦に伝える。
返事を待っている時間も惜しいため、返る言葉も待たずに繁真は行く。
時間を稼ぐのはいいとして、決定打があるかと問われればなんとも言えない。
日来の長に確認を取る必要がありそうだ。
指示が行ったのだろう。戦闘艦は攻撃よりも防御中心の戦い。竜神から距離を離して、砲撃は戦闘艦に注意を向かせるために行う。
先輩方にはすまないと思いつつ、足場を蹴り飛ばして宙を滑空した。
加速系術と緩和系術を繰り返し発動し、宙に表示した足場を起点に方向を変えながら進む。
創作系術ならば一から系術を組み合わせなければならないものの、自分に合ったものが出来上がるため、今後はそれを考えた方がいいか。
考えながら、離れていく竜神に注意しつつ、央信の元へと向かうセーランへと近付いていく。
流魔線を表示した足場に繋げて、落下と公転を行いながら進んでいた。それを見るに、日来の長は加速系術を使い慣れていないのだと繁真は思った。
加速系術を使わない分、やはり繁真の方が早く、セーランの元に辿り着くのに時間は掛からない。
近付いてきた繁真に気付き、減速を行うセーランに合わせて繁真も減速を行った。
適度な距離を置きつつ、二人は宙で再び会った。
足場に流魔線を繋ぎ、ぶら下がっている状態のセーランと今まで通り足場に着地した繁真。
最初に口を開いたのは繁真の方だ。
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