第一物語・後半-日来独立編-
第七十二章 竜神《4》
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はあるが……想像は直接、我が宿り主の力として現れる……』
「吸収が上手くいってるのを想像しろってか。なんか無いものを掴むような感じで変な感覚なんだよなあ」
『能力事態は宿り主になった時点で知識は得ている筈だが扱うのは初めてだからな……。時期に慣れると言っても……ふん、竜神の分身にこれ程までに時間が掛かっては先が思いやられる……』
無茶言うなよ、と言わんばかりのため息をセーランは吐く。
宿り主と言えどセーランが人族には変わり無く、分身であっても神であることは揺るがない。
安易にやられる程、下位の神であっても柔ではない。
事実、現実空間に現れた本体の意思の一部である竜神にここまで手を焼いている。
「今度こそやらねえと」
『ゆっくりしている時間は無いと思うがな……』
傀神の言葉通りだ。
砲撃を受ける竜神が、身体を貫く杭をもろともせずに円の軌道を描き始めた。
砕け散る杭。貫かれた箇所に流魔が集まり、傷が癒えていく。
周囲が危険を感じたのはここからだ。
竜神の流魔が活性化し、青く身体が光り出していいる。
なおも続く砲撃。直撃しているが効いているようには見えなかった。
そして竜神が遂に潜めていた力を解放した。
一回の咆哮。
ただそれだけで大気を圧し、正面にいた戦闘艦の操縦が効かない程に吹き飛ばした。
咆哮を受けて回転する戦闘艦。まるで枯れ葉が舞うようだ。
何を考えたのか、一艦の戦闘艦が竜神に特攻を行った。
ぶつかる外側の装甲は容易くねじ曲がり、船首は完全に潰れた。
空から落ちる幾つもの人の形をした影。
乗員が宙に身を投げ、脱出したということだ。
身体を捻り、口で戦闘艦を噛み潰した竜神。
無惨に二つに分かれた戦闘艦が黒煙を放ちながら地上に落ちていくなか、残る戦闘艦が取る行動はどれも無意味であることが感じられた。
活性化した神相手に、さすがの黄森も戦力が足りていない。今後のことも考えると下手に戦力を割くわけにもいかず、事態は最悪へと向かいつつある。
見ていたセーランは拳を握り締め、
「日来の独立に加えて奏鳴の救出。更には竜神との戦いとか、どんだけ事態は大きくなってくんだよ」
『世界を渡り歩くのならば……小さなものに我は感じるがな……』
「神が何言ってやがる。てか、これかなりの確率で戦闘艦無視して黄森長に接近するよな」
セーランは交互に竜神と黄森の長がいる戦闘艦の甲板上を見て、確率の高い流れを予測し、次の流れに備える。
ここにいても意味が無い。
黄森の長の元に先回りし、そこで迫ってくるであろう竜神を迎え撃つ。
この場は黄森に任せて先回りをしておく。
足場から身を投げるセーランが風を切りながら落下していく。
離れた場所に足場を表示して、その足場に流魔線を
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