正義も悪もない。あるのは強さと弱さ
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うはははははは」
「てめぇ……冥星……! 殺してやる!」
少女たちは憎しみの目で冥星を睨んでいた。心地のいい殺気が四方を包み込む。なんとも子供にふさわしい悪意だ。それでもここまで火種を大きくしたのは、自分の責任に他ならない。
冥星は失態を犯した。
自分の悪意を、エリザに転嫁させてしまった。
『冥星に尻尾を振る、雌犬は死ね』
手紙にはこう書かれていた。確かに恥ずかしくてエリザには見せることができない内容だ。刺激も強すぎる。
「いいのか? 本当に? その選択は間違っていないのか?」
「な、なに言ってんだよ、お前……」
「俺は女だからって容赦しないぜ? むしろ女の方が殺りやすくていい。ひ弱だし、すぐに根を上げる。なぁ?」
少女たちは、ある少年が好きだった。その少年は、冥星が転入してくるまで王子様だった。その人の周りにいれば間違いなく少女たちは地位を獲得できていた。
「吉野は今頃、リハビリしてるかなぁ……辛いだろうなぁ……四体全部捻じ曲がったからなぁ」
「めいせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
「はっ…………ボケが」
その日、とある公園からは少女たちの悲鳴が永遠に聞こえたらしい。
その後、隣のクラスでは相次いで転校していく者が増えていき、数日噂になったとか。
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