ラウラの教導……ドイツの冷水はどこ?
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さと食って俺たちも戻ろう。」
天地の提案に乗っかった私たちは一夏の音頭で合掌と共に『いただきます』と声を揃えた。
「一夏の弁当はどんなのよ?」
「そんなに食いつくことかよ……お、見た目はまったく問題ないぞ箒。」
「当たり前に決まっているだろうが!」
失礼なことを言ってくれる。確かに、唐揚げは出来の良い物だけを残して一夏の弁当に詰めたが。
「唐揚げに銀シャケと卵焼き……野菜も入っててバランスは良好だね。」
春奈が一夏の弁当を覗き込む。高評価だな!と心の隅で小さな私がガッツポーズをしていた。
「鈴ちゃんのは……酢豚だけ?」
「こ、これで十分でしょ!?」
「バランス悪いし、ご飯を忘れるのはおかしいでしょ……それとも、何か下心でも持ってたのかな?かな?」
「っ!?ソンナワケナイデショウ!?」
「じゃあ鈴さん、何で片言になっていますの?」
「あ、あんたは黙ってなさいよ!春奈の手助けがなかったらBLTのサンドイッチすらまともに作れなかったくせに!」
「そ、それは何かの間違いですわ!!大体、自分を棚に上げてわたくしに意見をおっしゃるのは筋違いでしてよ!?」
……騒がしい上この上ないなこの二人は。ひとしきりギャーギャーと騒ぐと二人は落ち着きを取り戻してコホンッとわざとらしい咳払いをする。
二人を眺めていた春奈の視線はいい加減に黙れと威圧感を出していたのだ。
「ははっ。これが団欒と言うものなんだね。」
「まぁな。仲間で集まって駄弁るとか買い食いするとかも団欒みたいなもんだよ。」
天地の言っていることは間違いではない。でもシャルルは首をかしげていた。
「ふーん……そうなんだね。」
今の態度の中にシャルルの闇を見た気がした。何か引っかかると思った。が、今はおいて置こうと思う。
「さて、そろそろ食うペースを上げないと起こられるぜ?」
「それもそうだな。」
こうして我々の他愛のない昼は過ぎていく。こんな平和が私には似合っているのかもしれないなという思いを胸に秘めながら。
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