第四話
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分当たってる。1on1になれば物を言うのは経験。身体能力では皐月の方が少し上かもしれないけど、相手はエースを名乗ってるわけだし、全国大会ベスト4だ。経験値はどう考えても向こうの方が上だ」
「お前も試合経験なんて無ぇだろうが……」
……わりかし痛いところをついてくれる。確かに、前世で世界のバスケ選手と戦い続けた経験値はこの身体ではなんの役にも立たない。体格が違う。身体能力は遥かに劣る。そんな身体で以前と同じプレイをしろと言われても無理だ。
だが━━━━。
「まぁ、任せなさい。ちゃんと作戦は考えてきてあるから」
「作戦?」
━━━━経験値はこの身体で使えなくても経験則は頭で役に立つ。
バスケットコートの片面で男子一人、女子三人……4人が二組に別れて対峙していた。
「準備はいいかね? 挑戦者」
「日神楽 皐月だ。いい加減覚えろ」
フリースローラインで皐月が少しだけ腰を落として待機し、琴那もボールを持って正面から向き合った。
「でっ…か……あんた、何センチ?」
「えっ!? え〜〜……175?」
「ッ……!?」
一方、少し離れたところで腰を落として二人を見ていた琴覇が、不意に夏音を見上げて身長を尋ねるも、返ってきた返事に声を詰まらせ━━━━。
「嘘付け! お前こないだ170になったばっかだろうが! 身長で鯖をよむな! ジェットコースターに乗りたい子供かお前は!?」
━━━━直後、皐月のツッコミに思わず脱力しかけた。
「皐月だって同い年だろ! いいじゃないか! もうちょっと欲しいの! ってかなんで知ってるんだ!?」
「お前のお袋さんに聞かされたんだよ! 『あの子、このままじゃ貰い手が居なさそうだし、皐月君、頑張って追い越してね』とか!」
「はあ!? なんで今からそんな事心配されなきゃならないんだ!? 私はバスケするから結婚する気無いぞ!」
「!? ふざけるな、そこのデカ女! 見るからに勝ち組な胸しやがって!」
「琴那の言うとおりだ、このデカ女!」
「胸なんて邪魔なだけだ! 第一私はデカ女じゃない! あと10センチ足りん!」
「170有れば十分だ! 数センチぐらい俺に寄越せ!」
「イヤだよ、せっかくここまで伸びたのに! なんで━━━━」
「……そろそろ始めていいかしら……?」
「「「「はい、すいませんでした」」」」
琴覇の質問が皐月、琴那も巻き込み停止不能になりかけた時、コーチの冷たい一言が、四人に疑問も挟ませずに謝罪の言葉を出させた。
「それじゃ━━━━」
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