第十三話 ベーネミュンデ侯爵夫人(その7)
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居なければアスカン子爵家は未だに貧乏貴族のままのはずだ。死者を悼むくらいの礼儀を示してもバチは当たらないだろう。碌な奴じゃない。
葬儀の間、誰も喋らなかった。葬儀が終わってもそれは変わらなかった。ラインハルトを除けば誰も積極的には彼女の死を願わなかったはずだ。それなのに彼女は死んだ。一体俺達は何をしたのか……。皆が沈黙したのもそれが理由だろう。一体俺達は何をしたのか……。
これからもこんな思いをするのだろうか、そう思うとやり切れなかった。しかし俺がブラウンシュバイク公である限り権力の芳香と腐臭を嗅ぎ続ける事になるのだろう。そしてこの思いからは一生逃れられないにちがいない……。
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