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Myu 日常編
それでも夜を越え、朝が来る。誰しもが生きるために
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驚いた。
 この世の何物にも興味を示さなかった、あの冥星が。

「自分の目で、見定め、考え、行動する。俺の奴隷なら、やってみせろ。これは命令だ、わかったな」
「…………は、はい…………」

 わかってなどいないだろう。わかったふりをしてその場を凌いでいるだけだ。冥星はそれがわかっているが、あえて追求はしなかった。腹が減っていたからだ。
 ひとまずは、腹を満たすことだ。それからでもエリザの処置は可能なのだから。
 この少女を支配し、尊厳を――――。
 尊厳を、甦らせるのは。



 ※※※※※


「おい、なんでお前がここにいる?」
「ご、ごめんなさい、あの、この、部屋を使っていいと、わ、私の部屋だって……」
「どう考えても、俺の部屋だ。しかも表札には冥星様の部屋、ノックを忘れるとブスと呼ばれますと書いてあったはずだ」
「し、しまし! た! で、でも反応が、な、なかったの、で」
「入ったと?」
「…………はぃ…………」
「ブーーーース!」
「ど、どうしてですかー!?」

 今日は顔すら見たくない女が、まさか自分の自室まで押し掛けてくるなんてそれなんてエロゲ? 風呂に上がりの芳醇な香りを漂わせながらおずおずと冥星の様子をうかがうエリザ。手をもじもじ、足をもじもじさせながら恐々と上を向こうとする姿は、まさに悩殺的な威力を発揮している。自覚のない男殺しはもはや極刑物だ。
 唯一、そんなエリザになびかない者がいたとしたら。

「廊下で寝ろ」
「…………はぃ」

 男としての本能を忘れてしまったか、あるいは女自体に興味を示さないか、心をどこかに置き忘れてしまった哀れな動物のいずれかだ。
 ちなみになぜ冥星の部屋にエリザがいるのかは、明子の采配によるものだ。
 いわく――。

「もう、部屋がない。私は寝相が悪い、海星にはこれ以上負担をかけることはできない。残るは冥星だ。冥星は男だ。この国には男女七歳にして同じ部屋で寝るとやんごとない状況になってしまう確率が多いのでダメ、絶対――ということわざがある――だが冥星に限ってはそんなことはありえない。よってエリザは冥星の部屋でOKというわけだ」

 さすがは明子。冥星の事をよくわかったうえでの部屋割りというわけだ。
 どう考えても明子や海星が我慢すればいいだけの話だ。なぜ自分が、こんなメンドクサイ女と一緒に眠らなくてはならないのか。ただでさえ、一緒にいるとイライラしてしょうがないというのに……。


「え、えへへ……で、ではおやすみなさい、冥星さま」
「まて」
「へ?」
「俺は一人になると眠れない」
「は、はぁ……」
「この部屋は広い、特別にお前の寝床を用意してやる」

 そういうが早いか、冥星はエリザが侵入していい範囲をガムテープで遮
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