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Myu 日常編
それでも夜を越え、朝が来る。誰しもが生きるために
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ザが並んでいるとまるで絵本のお姫様が笑い合っているようで、現実味がない。 
 エリザは学校一の美少女にランクインした。海星は二位に下がったが、本人たちはそんなことなどどうでもいいし、興味もない。エリザはからかわれているだけじゃないかと疑っているぐらいだ。
 そんなことよりも、海星たちは目の前の繋がりが何より嬉しかった。海星は保健室登校で友達など一人もいない。別に人嫌いというわけではない。むしろ社交的だし友達も欲しかったのだ。残念ながら保健室に通っているため周りからは奇異の目で見られることが多かったため敢えて自分から話しかけることはしなかった。相手も戸惑うだけだと判断したからだ。

「私は保健室にいるからクラスには顔を出さないけど何かあったら相談しに来てね。もちろん家にいる時は何でも相談して」
「か、海星…………わ、私こんな優しくされたの、は、初めて……う、うれしい、です」
「おおげさだって……ほら、また訛ってるよ」

 エリザは瞳を潤ませて喜んだ。ミュータントとして生まれたエリザは、おそらく祖国では満足な暮らしなどしていなかったのだろう。比較的ミュータントに対して寛容な日本でさえも差別的な制度、法律が多く存在する。
 もちろんそうしなければならない理由がある。ミュータントは優れた知能と身体能力を有している。それだけでも人間社会に脅威をもたらす存在だ。より優れた者が勝者となるこの世界では人類はミュータントに従わざるを得なくなる。
 加えて、ミュータントはある特殊な能力を有している。
「おい……俺のスプーンが捻じ曲がったぞ」
「…………もしかして、エリザ?」
「このボケナス! 自分のmyuも制御できないのか!」
「あぅ……ご、ごめんなさい!」

 冥星は不満げに鼻をならし代わりの物をよこせと命令した。エリザは顔を真っ赤に染め、隠れるように台所へ向かう。当然だ、my uを暴走させるミュータントなど赤子がお漏らしをするような現象に等しい。つまり、エリザは嬉しさのあまり失禁してしまったようなものだ。ならば深く追求しないでやるのが優しさというものだ。


 ――――myu が使える? 

「エリザ、日本では無断でmyuを使った場合刑罰が科せられる……」
「おい」
「ひっ…………」

 明子の目は、エリザを怯ませるには十分な威力を持っていた。そうしなければいけない理由があるからだ。
 ミュータントに寛容な国は、彼らを利用することを覚えた。自由という果実を与え、尊厳という果実を取り上げた。
 飼い慣らされている、と言った方がいいだろう。明子は、人間としてミュータントに舐められてはいけない。下だと思われた瞬間、牙を向けることもある。例え、目の前の少女が非力で弱弱しい姿だったとしても、my uという超能力を持っている。それだ
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