第五章 StrikerS編
第百六十五話 『決戦(9) 抑止力の声、そして―――』
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ぬ…。世界と天秤にかければその身を我に捧げるくらい容易いだろう】
「人間を、舐めるな…! こんな困難、越えられないほど私達人間は弱くない! 脆くない!!」
【………】
それで抑止力の声は止まる。
この停止した時間は彼らにとって無限に等しいもの。
でも、それと同時に私達にも有利に働いてくれる。
【…後悔するぞ。我と契約しなかったことを…】
「ハッ! 後悔なんて今まで何度もしてきたわ。でも、その度に乗り越えてきた。これを言うのは二度目ね。もう一度言うわよ? 人間を、舐めるなァァァァーーーッ!!」
私の叫びとともに抑止力の声は聞こえなくなってきて色褪せていた世界ももとに戻っていく。
止まっていた時間が動き出したのだろう。
それで止まっていたなのはも私の方に必死な表情で向いてきて、
「シホちゃん! ど、どうしよう!?」
「なのは、落ち着いて…。なんとかするわ。
…オリヴィエ陛下、破戒すべき全ての符でゆりかごとの繋がりを絶っても、もうこの暴走は止まりませんか…?」
涙を流しているオリヴィエ陛下にそう語りかける。
「はい…。私がいなくても暴走してしまったゆりかごは私の最後の命令を忠実に実行してしまい、地上を焦土に変えてしまうでしょう…」
「そうですか…それじゃやっぱり…」
と、そこに、
「奏者よ! 気絶している戦闘機人を持ってきたぞ!」
そこにネロがクアットロを担いで戻ってきた。
次いで、
「シホ!」
「お姉様!」
ヴィータとフィアも玉座の間に入ってきた。
見れば私が道中倒した戦闘機人も担いでいる。
おそらくこちらに来る途中に見つけてきたのだろう。
「お、お姉様!? すごい怪我ですよ!?」
「なのは! 目を覚ましたんだな!」
みんなが騒ぎ出したが、私は目をつぶり神経を集中させる。
そして心の中で呟く。
《アルトリア、イリヤ…。今から少し、いえ、かなり無茶をするわ》
《うん。シホの覚悟はもうわかっているよ。抑止力の誘いを断ったんだから後は私達が後始末をしないといけないもんね》
《そうですね、イリヤスフィール。シホ、サポートはお任せ下さい。シホの全力を支えきってみせます!》
《ありがとう、アルトリア、イリヤ。いくわよ!!》
《《うん(はい)!》》
それで私は特注の品のカートリッジを取り出してエクスカリバーフォルムに三本差し込んでいく。
それに気づいたのだろう、フィアが驚いた顔をしながら、
「お姉様!? ま、まさか、あのカートリッジを使う気ですか!?」
「ええ。もう後、私に出来ることはこのゆりかごを完膚無きまでに破壊すること。
でも、今のままじゃ魔力が圧倒的に足りない。だからこの『一つに一ヶ月分の私の魔力が濃縮して
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