暁 〜小説投稿サイト〜
IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第355話】
[3/3]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
ヒルトは来るんだし、お前らも来るかなーって」


 耳を疑う言葉、まさか俺は返事すらしてないのに既に行くことが決まっているかの様な言い方。

 ……まあ、クラス代表としてはいかないといけないかもしれないが。


「……まだお兄ちゃん、行くって言ってないじゃん」

「え? そうだっけ、ヒルト?」

「一言も言ってないぞ? ……とはいえ、クラス代表として誕生日を知った以上は祝わないといけないよな……」


 軽く息を吐くと、一夏は今日一番の笑顔を見せて――。


「そっかぁ! ヒルトが来るなら俺も嬉しいぜ! んで、皆は?」

「……お兄ちゃんが行くにしても、私は行かないよ? 行く理由無いもん」


 ばっさり切り捨てる美冬――特に一夏は傷つく所か軽く受け流すような返事をして未来へ視線を移すとぎょっとした表情になる未来。


「私も行かないよ? ……男の子の誕生日は仲の良い子か好きな人だけって決めてるし……」

「ふーん。 美春は――」

「行かないに決まってるでしょ! 織斑一夏! 一応ヒルトに着いていくけど、近くで待つもん!」


 立ち上がってビシッ!と指差す美春に、一夏も頭をかきながら――。


「そ、そっか。 んじゃ、三人来てくれるんだな?」


 そう言って篠ノ之、鈴音、俺の順で見る一夏に――。



「うむ。 私が行くのだ、他に女子など必要無いだろう」

「ん? 箒がそう言うならアタシもやっぱりパスしようかな?」


 鈴音の言葉に、一夏は――。


「そう言うなよ鈴。 別に箒だって本心でそう言ってる訳じゃないんだし。 だろ、箒?」

「ぅ……む」


 歯切れの悪い言葉と共に頷く篠ノ之――絶対本心だったなと一同が心に思っただろう。


「……まあ良いわ。 あんまお金無いから今回も料理だけど我慢してよね?」

「おぅ、くれるなら何でも嬉しいぜ」


 そんな一夏の何気無い言葉に、石ころをあげたらどんな反応するかなと少し気になってしまった。


 ……あげるなら補聴器が一番だが、補聴器も本人に合うやつを渡さないと意味が無いし、多分あいつ自身も「何で補聴器が誕生日プレゼントなんだ?」って素で言いそうだし……。

 ……今度何か適当に見に行くかな、まああいつの好きな物は何かわからんから目についた奴でも買えば良いだろうし。

 そう結論つけると俺はまた再度食事に箸をつけていった。
[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ