オリジナル/ユグドラシル内紛編
第54話 いなくなればいい
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
出てなかったしなあ。オーバーロードは完璧プロフェッサー直轄になったぽい。
主任、窓際?
主任派につくと事態から置いてけぼりっぽくて焦る〜って友達言ってた。
あ〜。実質プロジェクトアーク押しつけられて終わりっぽいしね。
けど妹か人類かって究極の選択だろ。
あ。あとさ、被験者3の小学生いたろ。主任の妹さん、あの子と同級生なんだって。あくまで噂だけどさ、あの子、プロフェッサーに脅されたって。
うえ、マジ?
マジマジ。
へたん。碧沙はその場に座り込んだ。研究員の談笑が遠のいて行く。
(わたしのせいで、兄さんと咲がオーバーロードインベスにかかわれない……わたしのせいで、貴兄さんのキボウが、つぶれそうに、なってる?)
凌馬に触診された時よりずっとショックを受けている自分がいる。
どうすればいい? どうすればいい? どうすればいい?
「…し……なんか…」
貴虎の希望が、咲の希望が、――人類の希望が、呉島碧沙がこんな身の上であるばかりに潰える。
(わたしなんか、いなくなったらいいのに)
はっとした。そうだ。楔となっている碧沙がいなければ、貴虎も咲もオーバーロードを探せる。全人類を救う手立てが見つけられる。
碧沙は廊下の上を見上げた。監視カメラはある。だが、カメラに映ったとして、人が駆けつけるまではタイムラグがあるはずだ。
碧沙は立ち上がり、元来た通路を歩き出した。
――“だからヘキサも、あたしたちのだれかが大変だったら助けてね”――
リフレインした親友の声は、碧沙の背中を大きく押した。
(うん。助けるわ。待ってて。咲)
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ