第125話 鮮卑族
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で頼む。真悠、鮮卑族が?に遊学中の間は常山郡に篭っていろ」
「何故です! 私は鮮卑族を一番に知っています。私にお任せください」
「真悠、お前の話を聞いて、今回の援軍の将軍が鮮卑王の右腕であった理由に合点いった。この人選には拓跋沙漠の影が見える。これ以上は言わずともわかるな?」
「真悠、正宗様の仰る通りです。鮮卑王との同盟関係は対等です。遊学とはいえ鮮卑族の有力氏族の子弟を同盟相手に送るなど人質を送ると言っているようなものです。相手にそう思われることを理解してもなお遊学させたい理由があるということです。面子より実利をとるくらいです。鮮卑王は余程の実利があると考えたのでしょう。それも最近決めた訳でなく、以前から準備していたのでしょう。援軍として来た将軍が正宗様に願い出たことが何よりの証拠です」
揚羽は正宗の話を補足するように言った。
「今回のことに拓跋沙漠が関わっているのでないかとは思っていました。彼女は兄上に異常な興味を持っていましたし是が非にでも遊学の話を進めたそうでした」
真悠は揚羽の考えを察したように言った。正宗は彼女の話の最後の部分を聞き眉をひそめた。彼は拓跋沙漠が自分へ向ける関心に嫌な気配を感じ取ったようだった。
「揚羽の話で大筋あっているだろう。鮮卑王が魅力的に感じた実利とは何だと思う?」
正宗は面倒な表情を浮かべ揚羽達の顔を順番に見た。
「冀州は以前にも増し豊かになっています。また、特産品の開発に力を入れているお陰で資金も潤沢にあります。このことから察するに拓跋沙漠は交易の利権を得たいと考えているかもしれませんね。冀州の繁栄を考えれば、それ以外の可能性もあると思います」
冥琳は正宗の質問に答えた。揚羽達も表情から同意見であることは読み取れた。
「真悠、お前では遊学してくる鮮卑族の対応役は都合が悪い。まずは拓跋沙漠と他の遊学してくる鮮卑族の出方を見て、必要に応じてお前に意見を求めようと考えている。安心しろ。お前を疎んでのことではない」
正宗は真悠に優しい微笑み言った。真悠は彼の表情に安心したのか、それ以上何も言わなかった。
「鮮卑族の件は一先ず片がついたな。泉と瑛千、今回の任務よくやってくれた」
正宗は泉と瑛千を笑顔で讃えた。その表情は本当に嬉しそうだった。彼にとって麗羽が大切に思う気持ちが感じ取れた。彼の雰囲気に泉と瑛千も我がことのように喜んでいるようだった。
「正宗様、もったないことにございます」
「正宗様の力になることができ嬉しい限りでございます」
泉と瑛千は口々に謙遜した返事をした。
「両名とも褒美を期待しているといい」
「ありがたきしあわせ」
泉と瑛千は片膝をつき拱手し頭を垂れ礼を述べた。
「
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