第125話 鮮卑族
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望していましたが、異民族出の者が太学に入学するなど無理な話。彼女の冀州への遊学を兄上に頼む旨を約束しました」
「正宗様に断りも無く勝手に決めるとは何事です」
「拓跋沙漠とは口約束でしたので折を見て兄上にお願いするつもりでした。こうも彼女が露骨に依頼してくるとは」
真悠は溜息をつく。揚羽は実妹の姿に呆れた様子だった。
「拓跋沙漠はどのような人物だ。危険な人物なのか」
今まで揚羽達とのやり取りを黙って聞いていた正宗が口を開いた。
「油断ならない人物であることは間違いありません。彼女は鮮卑族の外交交渉役で漢人の商人だけでなく大秦人の商人とも交流があるようです」
「鮮卑王が援軍に大師を送りこんだ理由も頷ける。しかし、拓跋沙漠は大秦人とも交流があるのか。興味深いな。彼女に一度会ってみたいものだ」
「兄上ならばそう仰ると思いました。兄上、遊学の話を進めてもよいでしょうか?」
真悠は正宗の態度に気を良くしたのか喜々とした表情になる。
「真悠、控えなさい!」
揚羽は真悠を強い口調で制止した。
「正宗様、真悠が築いた拓跋沙漠との友誼は強めるべきと思いますが、条件がございます」
揚羽は真悠を黙らせた後、正宗を向き直り言った。
「準備なく鮮卑族の要人を招いては問題だな。揚羽、条件とは何だ」
揚羽が提案した条件は次の3つだった。
一つ、遊学の受け入れは半年後とし、場所はこの?城。?城の外壁の外に要人が生活する屋敷を用意すること。
一つ、?城の内壁内への出入りは正宗様と重臣が応諾した上でお召しになる場合に限り許可すること。これを犯した者は遊学の許可を取り消し帰国させること。
一つ、?城外への外出を禁止すること。?城外へどうしても外出しなければならない場合、正宗様と重臣より外出許可を得て高級武官を警護として同卒すること。
一つ、?県の県境を越えることは禁止すること。これを犯した者は遊学の許可を取り消し帰国させること。
「囚人ような扱いだな」
「囚人より余程良い扱いかと思います。要人を受け入れるのです。彼らに何かあれば正宗様の責任問題にかかわります」
正宗が独白すると揚羽が口を開いた。
「揚羽殿の仰る通りです。それにこの条件ならば要人警護を理由として鮮卑族を言い含めることができます」
冥琳は揚羽の提案に同意した。
「わかった。揚羽進めてくれ。それで対応は誰に任せる」
「真悠は常山郡の政務に忙しいでしょうから私にお任せください。椿(馬良)と柚子(馬謖)を補佐につけてくださいませんでしょうか?」
揚羽が鮮卑族の遊学中の対応を行なうと名乗りでた。真悠に任せることは不味いと考えたのかもしれない。
「揚羽、それ
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