コードギアスR2
0618話
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く頷き、店内を見回して客の視線が集まっていないのを確認してから小声で話し掛けてくる。
「何でここにいるんだ? もしかしてまた基地を襲撃するつもりか?」
「微妙に外れだな。今回の目標は……」
そこまで言い、視線を店内のある方向へと向ける。
「……?」
俺の言葉の意味が一瞬理解出来なかったのだろう。不思議そうな顔をしつつも、次の瞬間には頬を引き攣らせる。俺の向いている方向に何があるか分かったのだ。店の壁の視線の先、そこにあるのはこの国の象徴とも言える朱禁城であるという事に。
「おいっ、本気か!?」
「少し声が大きいぞ。……本気だ。とは言っても、別に襲撃を掛ける訳じゃない。とある人物と接触するだけだ」
さすがに天子を誘拐するとは言えずに、そう誤魔化す。
「……にしても、改めて聞くが本気か? 朱禁城だぞ? 当然警備も……」
「問題無い。それに今回は別にお前に手伝って貰おうとは思っていないさ。ここに来たのは、闇に紛れる為に夜までの時間を潰そうと思ってだしな」
「そうか。上から指示が出てないからおかしいとは思ったが……それなら問題無い。だが、この店に立ち寄ってから捕まったりしたら色々と大変な事になるのは確実だからな」
「その辺は問題無い。俺が捕らえられるなんて事はまず無いだろうよ」
そんな俺の言葉が、自信過剰にでも聞こえたのだろう。店主は微かに眉を顰めて口を開く。
「何事にも絶対は無い。いくらあんたが凄腕でも、素手でKMFには勝てないだろう」
「……そうだな」
取りあえず今の俺ならKMF相手でも……それがガン・ルゥ程度なら全く問題無く対処出来るんだが、それでもまさかただの現地協力員であるこの男に説明する訳にもいかないしな。
店主としても俺が素直に話を聞いた事で満足したのだろう。そのまま厨房へと引っ込み、料理を作り始める。
ちなみに朱禁城に潜入するというのを知った為か、予想以上の料理が出される事になるのだが……まぁ、味はともかく量は満足出来るものだった。
その後は店主も迂闊に俺と接触して他の客達の注意を引くような事も無く、ゆっくりと時間が過ぎるのを待ち、夕食を食べに来る客が多くなってきた頃に店を出る事にする。
店の外へと出れば、既に太陽は沈み掛けており薄暗くなり始めていた。後はいつ朱禁城に潜入するかだが……
「まぁ、もう少し待った方がいいよな」
何しろ、お飾りとはいっても天子という役職上夕食を誰かと共にする程度の事はあるのだろうから。黒の騎士団が既に決起している以上は天子のお友達でもある皇神楽耶の姿が既に無いのは運がいいと言えるんだろうが。
「そう言えば、その関係もあったな」
溜息と共にそう呟く。
天子と皇神楽耶が友人である以上――それも天子の
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