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真・恋姫無双 矛盾の真実 最強の矛と無敵の盾
反董卓の章
第25話 「……本当に、これでよかったのかの? 玄徳殿……」
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備を指名した。
 だが、劉備は上位者である劉表にそれを移譲した。
 そして、曹操はそれを認めたのである。

「故に、景升様と曹孟徳殿のどちらかに、とお願い致しました。たんぽぽ、献帝陛下のご希望は聞けたか?」
「ふへっ!? あ、は、はい! へ、陛下は叶うならば、亡き霊帝陛下の信が厚かった大宦官・曹騰様の孫である曹操様にお願いできれば、とのことでした!」
「……………………」

 たんぽぽの言葉に、苦虫を百匹くらい噛みちぎったような顔を見せる曹操。
 その曹操から視線を外し、黙したまま眼を閉じている劉表を見る。

「景升様。霊帝陛下のお言葉ですが……もし希望なされるならば、景升様が後見なさることも出来ます。いかがいたしますか?」
「……いや、陛下のご慧眼であろう。儂の影響力は以前ほどではないし、中央の基盤は殆ど失われておる。孟徳殿に比べれば、戦の才など無いに等しい。後ろ盾にするならば、孟徳殿にはるかに及ぶまい。儂は辞退しよう」
「……っ」

 曹操は宣言した劉表から目を逸らし、俺を睨む。

 ……どいつもこいつも、何故に俺を睨むんだよ。
 ほんとに快感を感じるようになったら、どうしてくれるんだろうか。

 曹操はまだ納得できていないようだ……しょうがない。
 どうせ嫌われているのはわかっているんだし、ここは突き放すか。

「わたしはっ……」
「孟徳殿」
「っ!」
「それ以上は私に申されるより、ご自身で献帝陛下に奏上なさってはいかがでしょうか。私は現状の説明と取次をしているだけです。献帝陛下にはありのままの現状報告を致しました。あとは盟主名代である景升様と、献帝陛下からご依頼されている孟徳殿自身の問題です。今ここで私に申されても、これ以上ご返答のしようがありません」
「………………………………」

 歯ぎしりが聞こえてきそうなほど、俺を睨む曹操。
 横にいる荀ケは「華琳様……」と言ったまま声もかけられないようだ。

 まあ、諦めてくれ。
 史実的にも後見役は曹操なんだし。
 そうなるようにお膳立てしたのだから、素直に受けてくれよ。

「まあ取次させて戴いている以上、一言添えることぐらいはできますが……それ以上のことを求められても困ります。そして私は……いえ、劉備の意思は」

 俺は横にいる桃香を見る。
 桃香は俺を見て……頷いた。

「献帝陛下の意思に従います。私はそれ以上を求めるつもりはありません」
「……っ!」

 桃香の言葉に、曹操は歯ぎしりをしながら目を逸らした。

「と、いうことです。報告は以上です」
「うむ……」

 俺は曹操から目を逸らしつつ、席に座す。
 ふう……

「ご苦労じゃった、盾二。馬岱殿もよくやってくださった。感謝する」
「あ、はい…
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